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幼馴染の1人───風丸一郎太は別のクラスだったため、昼食のついでに彼のクラスにお邪魔することになった。円堂を筆頭に後ろについて行く。
「ッ"えぇ〜？！お前ッ、お前本当に大神なのか？！！」
風丸は円堂からの紹介を聞いて、こちらを視界に入れた途端に悲鳴のような叫び声を上げた。
『そうだよ、正真正銘の大神Aだ。君も大きくなったなぁ、背は同じくらいだったのに普通に抜かされてる。』
「お前は小さくなった……と言うか、俺がでかくなったのか……じゃ、なくてだな？！
お前、今まで何処に行ってたんだよ！！」
一旦落ち着いたと思ったら、再び思い出したように大声を上げる。
『あぁ〜……それには深い訳があってだなぁ、記憶がなくなっていて覚えていないんだよ。』
「深い訳があったのか〜それは仕方がない……記憶喪失？！！」
「風丸、お前疲れないか？」
お前も風丸で遊んでないか？という東の冷ややかな視線を手で叩き落とし、大混乱している風丸を改めて目を向けた。
『風丸、ただいま。』
「ぇ、あッお……おかえり、大神。」
手を差し出せば、1回り大きなな手が包み込む。触れたては少し震えていて、彼が本当に自分を心配してくれていたのだと理解して目を伏せる。
「……悪い。お前の家の事情を理解している上で、深く聞くのは酷い奴だよな。」
風丸の肩を軽く叩き、親指を立てる。これは無論、気にするなという合図で、風丸は安心した表情で目を細めた。
『僕が大復活して、やっと幼馴染が揃ったことにはしゃぐのはいいけれど……お昼食べに来たこと、君たちは忘れていないかな。お腹すいたのだけれど。』
「「あ。」」
「皆何やってるんだ、早く食おうぜ！」
立っている風丸と東にお弁当を示して伝えると、ぴったりと息のあった声が重なる。そして、それを横に既に昼食に手をつけている円堂。
『……全く、君たちは最高だな。』
自分の居場所を残してくれた幼馴染たちに感謝して、昼食をするために席を作った彼らの元へと駆け寄った。
「何食べるんだ、お坊ちゃん！」
『お坊ちゃんって気に入らないんだよね、二度と呼ばないでくれるかな大都市クン。普通だよ、普通のお弁当。』
「え……それでも金持ちか？もっと豪華なものかと思ってた。」
『風丸サン、金持ちが常に無駄遣いをしているというのは誤認識だよ。現に、僕が証明している。』
「大神、おかず分けて。」
『円堂、まだ足りないなら購買っておいで。他人から奪おうとするな。』
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月18日 2時
