12月1日 ページ3
「はよー」
朝の挨拶。
気の抜けたこの声に、Aは苦笑い
それでも笑っておはよう、と返してくれる。
「今日は1時間目から体育かぁ…やだなぁ」
「え、いいじゃん。」
「私はよくないのー!」
他愛もない話をして、笑いあって。
俺達は学校へとむかった
同じクラスでずっと一緒。
それでもAには特に何も思わない
「おーい、昼一緒食おーぜ!」
「あ、うん。ちょ、ちょっと待ってね!」
「おう」
空いていた隣の席に座り弁当を開いて待ちつつ
Aを眺めた
長いまつ毛にサラサラしてる黒い髪
顔立ちは悪くないし、モテるという話も聞く
別にこいつに彼氏が出来てもいいけど、
一緒に遊んだり帰ったり出来なくなるのは何となく嫌だな、とか
ボーッと考える
「おーい?そんなに見つめられると穴空いちゃうよー?」
ハッと気づくと弁当を開き終わってるAが心配そうに覗き込んでいた
「わ、わりー。ボーッとしてた」
「そー?ならいいけど。ほら!食べよ!」
いっただきまーす!とAがご飯を食べ始めた
俺も箸箱から箸を出し、弁当を食べ始めた
Aの弁当は美味そうだ。
ふわふわしてる卵焼きとか
ハンバーグも美味しそうだ。
野菜もいい感じに入ってて、色も偏っていないそのお弁当はAのお母さんらしさが出ていた
「お前らいっつも一緒に弁当食ってるよなぁ」
「もしかして付き合ってんのー?」
アハハ、と笑いながらからかってきたのは佐藤と中山。
こいつらは非常にめんどくさいのであまり関わりたくない
「ちげーよ。こいつと付き合うなんてぜってーねえから」
「本当かね?」
「おう。」
「ちぇー、つまんねーの!」
ふとAを見ると少し寂しそうな顔をしていた。
今日は部活もなく、別々で帰った。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ