輝く空は知っている

４・幼い頃の記憶（続き） ページ5

「彩ちゃん、よく聞いて。

彩ちゃんはね、特別な力を持っているんだよ。

この力は、とっても大切な力で…ううん。

大切な力だからね。そのことはよく覚えておい

て。」

おじさんの言葉は難しいはずなのに、なぜか理解で

きた。

どうして…。

普通じゃない。

私は、普通じゃないんだ。

それだけが、わかった。

「特別な力？」

私の問いには、何も答えてくれなかった。

ただ、黙っているおじさんを見て、私は何を感じた

のか…

「そっか。大切な力、なんだね。

じゃあ、大切にしなくちゃね！」

そう言って、嬉しそうに微笑んだんだ。

「隠さなくていいんだよ。

私、受け止められる自信があるよ！

話したくないんだったらいいけど…

大事な事なんでしょ？

いつか話すんだったら、早いほうがいいと思う

の。」

知らなきゃいけない。

そう思ったから。

「…うん。」

「あーちゃん！」

おじさんが何かいいかけた時、従兄弟のゆう君が来

たんだ。

「あれ。どうしたの？」

「…どうしたの、じゃないよ！遅いから心配したん

だよ？」

その言葉でようやく思い出したんだ。

ここに戻ってきた理由を。

「ごめんなさい。」

すっかり、忘れてたなぁ。

「はぁ、全く。あーちゃんはしょうがないな。」

そう言って、私をすくい上げたんだ。

私は笑って、ゆう君も笑った。

とっても幸せだった。

でも…幸せな時間は、長く続かないんだね。

私は知らなかったんだ。

この後、私の身に起こる出来事を。

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片山 悠飛

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