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死にそう ページ1

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「あーもうダメだ多分そろそろ俺ら死ぬわ…」


「ふざけてないで立ってくれよ頼むからぁ!ホントに!なあ兄さん!!」


「俺戦えねえもん!」



グズグズと涙を流す凡そ高校生。

だらしないったらありゃしない。そんな事は分かってるけれども、精神論で足は早くならないし心は強くならない。



「もう死ぬ死ぬ。死ぬわ俺」


「ねえホントに早く走れよ!走ってくれ頼むから!」


「もう要だけでも逃げろよぉ…」


「置いてける訳ないだろ!ほら早く立って!座んな!!走れよ!」


「何でそんな優しいの要くん!!」



こんな調子だけど




実は命の危機に瀕していたりする!




優しい優しい弟の要くんが早く立て走れと言うから今立ち上がって走ってるけど、もう疲れたしそろそろ無理だ。

もう地面に足を突いた反動で何とか腿上げて走ってる。



「あ"あぁ〜〜!!疲れた!死にたくねぇ〜〜っ!!!」


「無駄口叩かず走れよとにかく!!人通りのある所…はダメだ巻き込んじゃうし!」


「プラン無いの!?要くん俺死にたくないんだけど!!」


「だから走ってんだろ!!」



大声で会話しながら全力疾走している俺たちは多分周りから見たらさぞ滑稽だろう。


けどやっぱり俺達は人間で。

体力の限界なんてすぐにくる。


先にへばったのは要の方だった。



「!? おい要っ!」


「ゲッホ、ゲホッ、はぁっ」


「はぁ!?お前熱あんじゃん!体調悪いなら外出んなっつってんだろ!」


「兄さんはっ…先に、逃げてッ…!」


「置いてけると思うのか!」


「ここにいたら死んじゃうよ!!」



俺の怒鳴り声もかき消すような大声に思わず怯んで、でもやっぱり放っておける訳が無いから。

ボロボロと涙を零してみっともないと分かっていながら、要の肩に手を回す。


俺に半ば引き摺られながら置いていけと反抗する要の体がグラリと傾いて、大きな影が迫って来た。



「っ要!!」






ぎゅっと目を瞑って要を抱き込み痛みや死に備えた瞬間、突如浮遊感に襲われて何かを切り裂く音が響いた。








「ッは……?」


「立てるか」


「え…あ、はいっ」


「…いやそいつは無理だろ。気ぃ失ってる」


「え?あ、ぅうわあぁあ要ーっ!?」


「すごい熱だな…家は?」


「あ、えっと、」



突如現れた黒髪イケメンくんと白いワンコにより、俺達は窮地を免れたのだった。



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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2021年4月29日 19時

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