54話 ページ7
いづみ side
部屋でAといるとノックの音が聞こえた
い「はい?」
真「俺。」
い「真澄君…話してくれる気になった?」
真「…」
「…よし!私が今日はご飯作るからね!それまでしっかり話しておくこと!」
気を遣って笑顔で声をかけてくれるA
Aが出ていくと咲也君が真澄君に声をかける
咲「ほら、真澄くん!」
真「さっきは、ごめん」
い「え?」
真「叩いたことと、無視したこと…。」
い「あぁ、そんなの気にしてないよ。叩いたのだって、私のために怒ってくれたんでしょ」
真「怒ってない?」
い「うん。それより、真澄君こそ、私が言ったこと気にしてたんじゃないの?私のために芝居するんじゃダメだってこと。」
真「…気にしてるっていうか、わからなくなった」
い「わからなくなった?」
真「どうすればいいのか。なんのために芝居すればいいのか。」
い「私は真澄君に演劇を好きになってほしかったし、演劇を続ける私以外の理由を見つけてほしかったの」
い「真澄君に作った特別メニュー、あったでしょ?好きな芝居を見つけるってのもそのため」
Aと一緒に案を出して練ったメニューだ。
い「あれから芝居が良くなっていったから、好きなものが見つかったのかと思ってたんだけど…」
真「好きな芝居なら元々ある」
い「え?そうなの?」
真「あんたの芝居」
い「私の…?」
真「ビロードウェイでストリートACTしてた、アンタの芝居が好きだから、俺も同じように頑張っただけ」
い「私の芝居が…?あんなに下手で大根なのに」
真「関係ない」
なんだ…私は役者として何も残せなかったと思ってたけど、そうじゃなかったんだ。
真澄君と言う才能を見つけることができた。
下手でも大根でもそれで十分だ
真「後もう一つある」
い「もう一つ?」
真「好きな芝居。…Aの演技」
い「!、ストリートACTの時!?凄いでしょ!Aの演技!」
真「それもだけど、違う。」
い「え?」
真「…時々1人で台本読んでるから。多分、前に演じた役だと思う」
い「Aが?」
真「そう。前に見かけた時の演技が忘れられない。」
い「そっか笑それ、良かったらAに伝えてあげて?笑あの子、ほんと自分に自信ないから笑」
真「…わかった」
い「じゃあ、ご飯食べいこっか!」
よかった。Aが心の底から演技を嫌いになったわけじゃなくて…。
私は少し涙が溢れそうなのを堪えながら2人の後を追いかけた。
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向日葵 - 湊さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!中々更新速度が上がらなくて申し訳ないですが、引き続き応援してくださると嬉しいです! (2021年4月11日 0時) (レス) id: 6167edb96b (このIDを非表示/違反報告)
湊 - めっちゃ好きです!!!続きが気になります!!!これからも応援してます!!! (2021年4月7日 16時) (レス) id: cf9f44b425 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年3月22日 23時