近づきたい25 ページ26
A「っ...ぅ......」
薫「ねぇ、体調悪いなら保健室行った...ら...」
放課後の、それも人気の無い廊下で蹲る男の子
明らかに具合悪そう...だけど、男に興味はないから声だけかけておこうとしたら、
A「っ!...は.......はぃ...?」
薫「...えっ」
2年生に進級した時、ぱっと目を惹かれて声をかけたあの子だった。
といっても、すぐに逃げられてしまった上に姿も見なくなってしまったから、幻か何かだと思ったのに
薫「大丈夫?...苦しいの?
...っ鞄下ろして、貸して!」
A「...っ...ご、ごめんなさ...」
肩から落ちかけている鞄の紐を取って、背中をぽんぽんと優しく叩く
大きく息を吸って呼吸を正そうとするこの子の髪がふわりと揺れる度、ほのかに甘くいい匂いが鼻をかすめる
紅潮した小さな横顔が視界に入ると、今までの女の子とは全く違う、『あの時』よりも大きくなっていく鼓動
息を整えられたのか、チラりと俺の方を見上げる
ぴたりと目が合えば、俺のほうが苦しくなっていた
薫「...」
A「っ...ち、近っ......!?...あ、あの、ごごごめんなさい!だ、大丈夫です!...た、助けてくれてありが...」
なずな「あれ...薫ちん...にAちん!!?どうしたんら!!?」
後ろから聞こえたなずなくんの声
振り向こうにも、今目の前では腕で顔を隠し、涙目で顔を真っ赤にさせるこの子が居る
...えぇ...容姿だけじゃなくて、仕草までめちゃくちゃ可愛いとかアリなの?
なずな「Aちん?どうしたんら、大丈夫か?」
A「うぅ...っ?...に、仁兎先輩...!?
あっ、レッスン...」
なずな「こーら!仁兎先輩、じゃなくて『に〜ちゃん』!」
A「....に、に〜ちゃん!」
顔を隠しながらおずおずと名前を呼ぶと、なずなくんに頭を撫でられる。うん。可愛い。
薫「さっきここで蹲っててね。体調が悪いみたいだったから背中をさすってたんだ」
なずな「体調...って、Aちん本当に大丈夫か!?...今日のレッスンは見学でもいいぞ?」
A「えっ...あ、あの...!!大丈夫...です
...レッスン、参加させてください」
焦った様に出した声はしゅん、と小さく萎んでいく
どうやらなずなくんのユニットの子みたい。
この子にかける言葉も見つからないまま、なずなくんに鞄を持たされた
なずな「ごめん薫ちん!!Aちん支えて行くから、おれの鞄もお願い!」
薫「えっ」
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あこ - 更新再開...神ーここに神が居ますー。定期的に見に来る小説が増えました。 (2020年4月29日 18時) (レス) id: 93d2604178 (このIDを非表示/違反報告)
HSJはなこ(プロフ) - 本当にこのシリーズ好きで、更新再開していただけて本当に嬉しいです!気長に待ってます! (2020年4月29日 14時) (レス) id: 35ce901e64 (このIDを非表示/違反報告)
あこ - 面白すぎ!!!!どうか続きをー!いつまでも待ってます。 (2020年4月24日 15時) (レス) id: 93d2604178 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - 夢主ちゃんの行動が可愛いー(*^▽^*)更新頑張ってくださいプレッシャーをかけていたらすみません( ;´・ω・`) (2020年4月11日 11時) (レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
朝凪世一!(プロフ) - プリキュアになれると思ってたけど無理でした。さん» そう言っていただけるととても嬉しいです...!ありがとうございます、頑張ります(*^^*) (2019年12月10日 12時) (レス) id: cbeb56f355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝凪世一! | 作成日時:2019年9月18日 1時