狂祖とナイフ ページ8
「んで、私がお前の相手をするんだが…どーせストレス発散だとかそんなとこだろ？
さっさと終わらせてハーゲン○ッツ食べたいから」
「汝、我を阻むか」
「……ハァ、そっちか」
こちらは二手に分かれて戦う事にした様。
カシスは遠目で見ているが、もう家は助からないと悟ったのだろう。
「汝、もう一度問う。
汝、我を阻むか」
「ん〜、そういう事になるんじゃね？
別にお前のエゴとかは至極どーでも良いけど。
あの可愛い子達に私はハーゲンダッ○をごちそうするんだよ、コードの金で」
「……汝、愚民であるか」
「愚民であると言えば愚民だ」
私は随分愚かな事をしたからなぁ…と自嘲気味に笑うエフェ。
それはそうだろう。
だって「侵略者」であり「英雄」の敵なのだから。
一度だけ「英雄」になった事のあるカシスには分かる。
「敵」になってしまえば、もう認識を改めてもらえる事は少ない。
たとえ良い奴だったとしても、一度悪い奴になればすぐさま手のひら返し。
思い出しているとむッかつくわァ……あと青筋が立つカシス。
やめなさい、今のカシスではあの戦闘狂らには勝てません。やめときなさい。
「だが、其れすら最早関係ねぇんだ。
私はやりてぇ事をやりたいだけやる。赤ん坊みてーに騒いだって良い。
「女帝」と謳われる私をとくとご覧あれ」
「ッ！？」
すると、周りにいきなり500はゆうに超える赤く発光するナイフが出される。
瞬時に白夜は反応したものの、何本かははじき返せずに体へと刺さる。
「ヴァッ！？」
ぐちゃりと翼の一対がつぶれる。
根元からボキリと折れてしまったのだ。
「その体じゃ、もう私は愚か、コードになんて足元にも及ばねぇ。もちろん元からだけど」
「汝……ッ！」
「最初っからお前、分かってやってんだろ。」
「何…？」
「お前は上の立場に立つには幼すぎるんだ。だからこそ何も出来ない」
全くもってその通りだ。
組織の上に立つにはそれなりの覚悟と執念が必要になる。
カシスもシュビッシィーのボスとして、エンテェー達に言ったことがあったわねぇ…と思い出す。
「ボスは組織の奴 隷」だと。
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