機械と狂祖 ページ6
「喧嘩」
「何時」
「今」
「書類」
「やれ」
「やだ」
「決着」
「煩い」
今、なにを見せられてるかって？
答えは簡単、コードと白夜の修羅場です。
そしてその場に居合わせたカシスとエフェクター。ご愁傷様である。
「あらあら〜、まぁたやってるのねぇ…」
「備品を買ってくら。んじゃ」
「はぁ〜い、いってらっしゃぁい〜」
ふりふりと丸い手をカシスが振る。
瞬きする間にエフェはどこかへ消えていた。
コードと白夜が喧嘩をすれば星一つ容易く壊せるので、
新しい「家」を探しに行ったのだろう。
「ほんっっとーに、仲が良いのか悪いのか…」
確かに、会話だけ見れば、彼女達はとても仲が悪い。
しかし、先程の会話をよーく見て欲しい。
約二文字で会話が成立しているのだ。普通はあり得ない。
そんな事をぼーっと思っていると、破壊音がカシスの耳に飛び込んで来た。
「あーぁ、本当にやり始めたのねぇ…」
ま、しばらく見物してしまおうかしらぁ〜？なんて事を言いながら自分を防御する態勢を取る。
彼女達の一撃一撃は、たとえ流れ弾でもかなり痛手だ。
それはシュビッシィーのボスをして、普通よりも遙かに体力と魔力のあるカシスも同じ。
それほどまでに、彼女達は「異質」なのだ。
「おッ前……ッ！！何度機械に感情が宿れば苦しいと分からない！？」
「汝には理解しようの無い事だ。AIが感情を持てば、判断できる事が増える。
それの何が苦しいのだ？」
「機械の気持ちも考えろよド屑ッ！！」
地雷に触れたわわねぇ……なんて事を呟くカシス。
コードに機械の命、感情などの話を負に受け取ればかなりの痛手だ。
仲間であろうとなんだろうと、三次元側から消されて終わり。
それをしないのは彼女が何も分からない赤子だからと知っているからだろう。
白夜は言ってしまえば「赤子同然」。
生まれた時から「何故」「どうして」という事が必然的に増え続け、答えなど無かった。
だからこそ何が悪いのか、と言うのだ。
つくづく、祈りとは皮肉な物である。
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