【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ48)

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及川徹 ( 4 / 6 ) ページ48

――「日向と影山は今はバラバラだけど、ちゃんと力を合わせられたら、なにか…凄いことになる気がするんです」

「澤村君がそんな風に言ってて、その時は良くわからなかったけど…今日、わかった気がする。バラバラだったらなんてことない一人と一人が、出会うことで化学変化を起こす。今この瞬間もどこかで世界を変えるような出会いが生まれていて、それは遠い遠い国のどこかもしれない。地球の裏側かもしれない。もしかしたら…東の小さな島国の、北の片田舎の、ごく普通の高校の、ごく普通のバレーボール部かもしれない。そんな出会いがここで…烏野であったんだと思った。大袈裟とかオメデタイとか言われるかもしれない。でも信じないよりはずっといい。根拠なんかないけど…きっと、これから、君らは強く、強くなるんだな」

「「「「………」」」」

「「？？」」

「！！はっ、ごめんっ！ポエミーだった！？引いた！？」

「いやいやいや、そんなことないです！あざす！！」

「アザーーース！！」

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【櫻井視点】

( 〝化学変化〟…か ) ( 武田先生らしい言葉では有ったけど ) ( 俺はその変化に着いていけんのかな )

「清水先輩」

ジャージを着て清水先輩に髪ゴムを返そうしたところで姿が見えずにスガ先輩に尋ねれば、スクイズボトルに洗いに行ってくれたと一言。ついでに荷物持ちするかと探しに行けば手洗い場にいて。

「あ、櫻井。後、宜しくね」

「え？」

「あ、チョット…！」

声を掛ければ流石、元陸上部。荷物を持って俺の背後へ。(あ、荷物 ) 唐突過ぎた言葉に理解が追い付かず、考えられたのはそんな事で。既に遠くなってしまった背中に、軽く頭を掻く。そして、ガン無視されたと少し落ち込んだ声に其方を向いた。

「割と、通常運転です」

「え、辛い」

( まあ…普通に接すれば、普通に接してくれるんだけど ) 少しショックを受けたような及川さんに追い打ちをかける様な言葉は飲み込んで、それじゃあと背を向けようとした時、ストップと呼び掛けられた。

「？」

「Aちゃんの連絡先教えて」

「俺ですか。…つか、ちゃん付けは辞めて下さい」

「うん。…あ、それはヤダ」

( ヤダってなんだよ ) ( それに何で、俺。別に悪用されない限りは教えて困るような事は無いけど )

疑問に思ったのが伝わったのか、マネちゃんの連絡先を聞き出そうとかじゃないから安心して！と先手を打たれた。( 益々、謎 )

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