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及川 徹 ( 3 / 6 ) ページ47

【 第三者視点 】


「アリャッ!流石、Aちゃん!」


「スマン、短い!」 ( 何で名前知ってんだよ…ッ! 突っ込むとこ、そこじゃねェのは分かってるけど! )


一人突っ込みをしながら、自身が上げたボールの行方を目で追う。田中がフォローし、ラストを影山がレシーブで相手コートへと返した。


「ホラ、おいしいおいしいチャンスボールだ。きっちり決めろよ、お前ら」


及川へと返ったボールはきっちりとセッターへ。月島は不在の上、影山は後衛。ブロックに一番高さが無いローテーションの中、前衛三人がブロックに構える。


「金田一!」


「「!」」


バックトスで6番 ── 金田一へと上げるセッター・矢巾。烏野のブロックが完全に振り切られた ──


─── バチッ


「よしっ」「ナイスワンタッチ、日向!!」


ように見えた時 ── 縁下の後ろから出て来た日向の右手が金田一の放ったスパイクに触れる。ふわりと上がったボールは、今度は烏野側のチャンスボールとして返って来た。


「「チャンスボール!!」」


「くそが!!今度は俺が叩き落としてやるよ!!」


ボールの真下へと入ったAから影山へ、そして影山から日向へ。左サイドから、右サイドへと大きく移動した日向。ブロックを完全に振り切ってのスパイクは青城主将の真横を通過して、コートへと落ちた。


一瞬の静寂に包まれた中、静かに鳴った笛。── 試合終了、セットカウント 2 - 1。


勝者:烏野高校


「整列ーっ!!」


主審の声にコートのアウト線へと並ぶ選手達。そして笛が鳴るとネットを挟んで、握手を交わした。


「はああぁ〜…」


「どうしたんですか?」


そんな中、力が抜けたようにパイプ椅子へと座った顧問の武田先生。そんな彼に不思議そうに菅原が声を掛けた。


「…………すんごい」


「? あ、そうか、先生は3対3見てないから日向と影山の攻撃見るのは今日が初ですもんね。ね!スゴイでしょ!? もう凄いっつーか、恐いっつーか」


「「「お願いしアース!!」」」


集合ーっ! 澤村の掛け声で先生を囲んで集合する烏野。びくっと肩を揺らしながら立ち上がった先生に、なんか講評とかと菅原が耳打ちする。


「あっそっそうか! えーと…僕はまだバレーボールに関して素人だけど…なにか、なにか凄いことが起こってるんだってことはわかったよ」


「「??」」


「…新年度になって…凄い1年生が入ってきて…でも一筋縄ではいかなくて……だけど」





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作者名:紗羅 | 作成日時:2017年10月16日 1時

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