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斎藤side


「はーぁー、夏休みってどうしてこんなに早く終わっちゃうんだろう」


二学期最初の風紀委員の仕事である書類整理を終えて玄関に向かう途中、なんの偶然か総司、平助、雪村に出くわした。総司と平助が二人でいるところはよく見かけるがそこに雪村もというのは俺の記憶している限り見ない組み合わせだった。この学校にも溶け込んできている証拠だろうか、男ばかりの場所でもきちんと友人がいるというのは良いことだ。


「ほんっとそうだよな!始まった時には一ヶ月以上も休みがあるって思うのに気付いたらもう始業式だしよぉ」


「平助君、昨日遅くまで部屋の電気がついてたけど大丈夫?」


そうか、平助が雪村とは家が隣同士の幼馴染みだと言っていたな。こう身近にいるとお互いの事がすぐ分かるだろうから少し羨ましい。


「昨日は徹夜で宿題終わらせたからな。死ぬかと思ったぜ...」


夏休みに入ったばかりの日、俺は霜崎にーーーAに昔起きた全てを話した。
あの時は途中で総司と平助が来たために話が中断されてしまい、それ以来彼女とは機会もなく何も話せていない。


「総司もちゃんと宿題したかー?」


ファストフード店で出会った異様に影の薄いあの青年はAと何を話していたのだろう。


「当たり前でしょ、古典以外七月中に終わらせたよ。平助と一緒にしないでくれる?」


Aは突然姿を消した己の行動に心当たりがあると言っていた。それが一体何なのか。


「古典以外って...相変わらず土方先生に嫌がらせかよ」


いくら待てども彼女に会うことが叶わなかったあの日ほど悲しいと思った日は今まで一度だってない。だから、彼女の口から真相を知りたい。


「総司ィ!こんな所にいやがったな!手前ェ、古典の宿題はどうした!!」


「げー。土方さんに見つかっちゃった」


...はぁ。総司はまた土方先生を怒らせるようなことをしているのか。


「手前ェは俺の授業の小テストでもまともに回答した試しがねえ!今日こそは...」




「貴方に何が出来るっていうの!!」




唐突に悲鳴ような叫び声が聞こえてきた。
殆どの生徒が下校した校内は音を良く反響させる。おそらく一つ上の階が声の発生源だがかなり離れたここでもそれは鮮明に耳に届いた。


「なんだ今の...っておい!ちょ、一君!?総司!?」


今のは確実に女の声だった。薄桜学園の女生徒二人のうち一人はここにいる。だとするとあの声は...!

気付いた時には既に足を踏み出していた。

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咲弥(プロフ) - この作品面白すぎるんで、早く続きが見たいです!待ってます!!!! (2021年8月22日 1時) (レス) id: 7ba3ab4f3e (このIDを非表示/違反報告)
青椿(プロフ) - 初めまして!青椿です。小説、読ませて頂きました。面白かったです!続きが、楽しみです!更新、無理しない程度に頑張ってください! (2017年7月16日 12時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
ruka777(プロフ) - そう言って頂けるととても嬉しいです(*^ω^*)これからも楽しみにしています! (2016年12月29日 2時) (レス) id: 374598d890 (このIDを非表示/違反報告)
優生(プロフ) - ruka777さん» コメントありがとうございます!直接応援のお言葉を頂ける機会はなかなかないのでとても嬉しかったです! (2016年12月29日 2時) (レス) id: 4ab937d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ruka777(プロフ) - 更新頑張ってください(*≧∀≦*)応援してます! (2016年12月23日 10時) (レス) id: 374598d890 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳴宮 汀 | 作成日時:2016年5月8日 1時

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