passion〜1 ページ14
どれ程眠っていたのだろう。
目が覚めれば、私は薄気味悪いような、機械的なような、そんな空間にいた。
まるで、眠る前の世界が嘘のように思えていた。
私は、死んだはずだ。
なのに。
「私…どうして生きてるの。」
言葉と共に一筋、涙が流れる。
あの人がいないかもしれないのに、私は生きてしまっている。
虚しさで唇を噛んだ。
「あっ。加賀さん!
先生!意識回復です!」
看護師は私の呟きに気づいたようで、大声で医師とやらを呼ぶ。
「あの…私は何を…」
「貴女はサードインパクトの時に、昔患っていた心臓を再発し、六年の間ずっと意識不明だったんですよ。」
私は『サードインパクト』という語に凍りついた。
「待って下さい。
サードインパクトは…起こってしまったんですか?」
「ええ。」
「みんな…居なくなったんですか。」
「生き残った人は残念ながら少ないわ。」
「そうですか…そうですか…」
声を出さずに泣く私を見て、
その人は俯く。
そして、自分の目に何か機械を翳して私を舐め回すように見ていった。
「精神は汚染されてないわね。良かった。開発れたばかりのDSSチョーカーを付けることが無くて。」
そして、大切なものに触れるように私の頭を撫でた。
「あの…お名前は?」
「あっ、言うの忘れていました。
私は島風コズエ。妹がお世話になりました。」
今度は、島風という苗字と妹という言葉に驚いた。
それといえば、
「もしかして…ツバキのお姉さんですか?」
「そうよ。」
彼女は首を縦に振った。
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下弦 - いえいえ、コメント見てくださりありがとうございます。これからも応援しています!! (2015年11月18日 16時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
紅坂紅子(プロフ) - 下弦さん» コメント有難うございます。こちらのミスでした。修正しましたのでよろしくお願いします。 (2015年11月17日 22時) (レス) id: 9397b1a88e (このIDを非表示/違反報告)
下弦 - すみません、初コメです。私の方がバグっていたら申し訳ないんですけど、28ち29が同じ話になってるんです。少し不安になって。長文失礼しました。これからも頑張ってください。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
暗部の桜(プロフ) - とても面白いです。続き待ってます (2015年8月31日 21時) (レス) id: 3141487925 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - もうこの作品大好きです!!ニコニコしながら読ませていただいてます! (2014年9月14日 10時) (レス) id: 0c3a8a5087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2013年6月12日 21時