忘れちゃえ ページ49
姫国side
馬小屋付近を探していると、陸奥守を見つけた
姫国「見つけたっ!」
逃げようと振り返る陸奥守
けど、後ろには・・・
陸奥守「うぶっふぉ」
長曽祢「かかったな」
長曽祢さんがいたんだよねー
姫国「いぇーい」
パンッと、ハイタッチをする
陸奥守「鼻、痛・・・」
姫国「可哀想に・・・」
清光「なーんだ。もう仕留めちゃった感じ?」
姫国「あはは。終わっちゃいました」
陸奥守「そもそも!一対六っちゅうのがいかんのじゃ!」
安定「言ったでしょ?新撰組総攻撃だよって」
愛染「あ、姫国。国行見なかったか?」
姫国「明石さん?見てないよ」
蛍丸「眼鏡が錆びるから、見学するって言って、どっか行ったんだよね」
姫国「あーね」
愛染「見つけたら教えてくれ!」
姫国「はーい。・・・だそうですけど?明石さん」
明石さんは馬小屋の陰にずっと隠れていたのだ
明石「濡れるのはほんま勘弁ですわ」
姫国「ふーん」
清光「春。俺たちあっち行ってるね」
姫国「はい。気を付けてくださいね。地面、結構ぬかるんでますから」
安定「わかってるって」
別の場所に駆けていく二振り
明石「保護者って感じですなぁ」
姫国「あはは。まだ、僕の中では、二振りは小さい付喪のまんまですからね」
明石「ま、その気持ちはわからんでもないですけど」
姫国「明石さんはやらないんですか?」
明石「んー。まぁぼちぼち・・・ぶっ」
姫国「それ、やらないやつですよねー」
明石「眼鏡が・・・。やってくれたなぁ」
姫国「あははっ。にっげろー」
明石「待たんかい!」
脇差の機動を舐めないでもらいたい
僕はこの本丸の二振り目の脇差だ
それなりに場数を踏んでるし、足は脇差の中でも速い方だ
明石さんから全力で逃げる
ふと、周りに目を向けると、
薬研に全力で水をかけまくってる不動
兄さんにこれでもかというほど水をかけてる宗三さん
兄弟と楽しそうに遊ぶ一期さんたちが目に入った
僕は、焼かれた痛みを知らない
きっと、これから知ることもないと思う
なら、僕はその痛みに寄り添い、痛みの記憶を消してあげたい
こうやって楽しいことをすれば、焼けた熱さの痛みなんてきっと、忘れられるよね
81人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki
作成日時:2023年6月2日 20時