【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 肆

ep194 ページ47

その声の方へと振り向けばそこにはコーヒーをたしなむ金髪の美女。

なんともグラマラスな体つきに銀子と新八が息を飲む。


「元は男、今は女。同じ境遇ですし問題ないでしょう？」

「貴女みたいな人が元は男？……信じられない」


思わず本音を漏らす新八に柔らかく微笑み返す。



「こんな状況ですし、お互い助け合わないと」


美女はそう言うと立ち上がって銀子達を誘導した。



「私も最初はよく分からなかったんですけど、慣れれば簡単ですよ」


用を足すのによく分からないもクソもない、という事実をすっかり忘れ、美女に手取り足取り教えてもらうオイシイ展開を期待する銀子。


そしてファミレスを出てすぐの路地裏を目の前に、美女は言った。




「あそこで、普通にしました」



指差す先にはモザイクをかける他、選択肢のないブツ(デカイ方)。


その場に一瞬、冷たい沈黙が流れる。

そして一周回ってもはや冷静、真顔の銀子が言う。



「……あの、すみません。大きい方じゃなくて小さい方なんですけど……
てか、大きい小さい言う前にアレ、野糞ですね？」


「野糞と言うかアウトオブ――」

「野糞ですよね！？」


食い気味の銀子のツッコミにも折れることなく、美女はあくまで野糞を否認する。



「男子トイレ女子トイレどちらに入ったらいいのか分からなかったのでいわばフリーダム――」

「野糞ですね！どー足掻いても野糞ですね！！」



もはやそう言い切られると、溜息を吐いて弁明を始めた。


「申し訳ない。人を追っていたものでトイレを探す暇もなくて――……あ、私こう見えても捜査官でして」



そう言って美女はどこか見慣れた黒い隊服を羽織って続けた。



「まぁ……追っているのは犯人ではなく、お妙さんですが」



そのドヤ顔の美女、紛うことなき近藤勲(♀)である。





「……あぁ、野糞ですね」






安心と納得の野糞だった。





　

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