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燭台切が編成を発表している頃だろうか。
俺は今、これから死ぬんじゃないかと心臓が飛び出る思いをしている。
『あ........あのー....そろそろ解放して貰えませんかね?
一期さん。』
一「ですから、お話したいことがあると申したでしょう。」
それから一言も喋らないから言ってるんですよ。
一期一振が俺の部屋に押しかけてきて、出入口を塞がれてしまった。
『話したいことって何?俺、そろそろ出陣する子達に挨拶行きたいんだけど....。』
一「............。」
黙ってたら何もわからないよ。
『何?俺が秋田と話すのがそんなに嫌?あれは俺からじゃなくて秋田が((一「違います!」....!!』
びっくりした....。
急に大声出さないでよ。
まぁ、やっと話してくれるのかな。
『違うなら何?』
あぁ、言葉がきつくなる。
嫌だな、こういう自分嫌いだ。
一「........い、今まで....。」
俯きがちにぽつりぽつりと話し始めた。
心做しか声が震えている。
一「....今まで、失礼な態度をとってしまって、大変申し訳ありませんでした。」
『!』
一「私は、あなたのことを受け入れていなかったのではありません。試したわけでも、虐めていたつもりもありません。
........ただ、怖かったのです。」
『怖かった?』
一「........はい。
また、主を失うのが、怖かった。
主のことを愛すれば愛するほど、失った時の衝撃や絶望が大きくなる。そうすれば、弟達だけでなく、他の方たちにもたくさんの迷惑がかかる。それだけはどうしても避けたかった。
弟達を遠ざけたのも、同じ理由です。
あの子達は成長していたとしても、やはり人間の子供に近しい心を持っている。そんな子達が、顕現して二度も主を失うなど、経験させたくなかったのです。
........それが、主も、弟達も傷付けることになるなんて........全ては、私のわがままだったんです。
本当に、申し訳ありませんでした....!」
そうだったんだ....。
全部、姉さんの死があったからなんだ。
『........すごく振り回された。』
一「はい。」
『秋田は毎週決まった日に、寝る前に俺の部屋に来て、たくさん喋って、寂しそうに帰っていってた。』
一「....!っ、はい。」
『俺も、粟田口派みんなと話せなくて、寂しかった。』
一「ッ、うぅ....っ、すみ、ません....!」
あ、やばい泣かせてしまった。
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魄鴉(プロフ) - 宮白さん» 今更の返信大変申し訳ありません....(土下座)僕が主人公の立場になった時、どんな言葉をかけてあげたら彼らの心が動いてくれるのかを考えて、話を書いてきました。それが読者である宮白さんの心に響かせることが出来て、嬉しいです。待ってくれてありがとうございます。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: d3265c7f63 (このIDを非表示/違反報告)
宮白(プロフ) - とっても心に響く話です私...どうか、続きを書いてください!待っています! (2018年3月3日 9時) (レス) id: 0b9d1955c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魄鴉 | 作成日時:2017年11月5日 21時