生じた溝 ページ47
休暇が終わり、ホグワーツへと帰ってきた。
そこで待っていたのは、…休暇前よりも意気込むハリー達。
「スネイプは、ニコラス・フラメルが作った賢者の石を狙ってるんだ！」
「あの三頭犬は、賢者の石を守ってるんだ。絶対に止めなきゃ！」
私は思わず、それは違う、と叫びそうになった。
しかし、飛び出かけた言葉を必死に飲み込み、口を噤む。
いけない。
「…そう。なんて崇高な望みなのかしら、頑張ってね」
「どうしたんだよ、A。そんな冷たくなって」
私は彼らの目を順繰りに見つめて、ゆっくりと息をついた。
彼らはちょっとたじろいぐも、悲しげに眉を下げている。
「私はパス。理由は言えないわ、そういう約束だから」
「約束って？どういうことだよ、教えてよ！」
「それも言えない。とにかく、関わるなと言われたの。だから私はもう、関わらないわ」
すると、ロンが呆れたように肩を竦め、私を指さして批難した。
「なんだよ、結局怖気付いただけじゃないか。いまこの瞬間、スネイプが悪巧みして事件が起きてるってのに、君は逃げ出すんだな」
「ええそうよ、怖気付いたの。それに私からしたらあなた達の方が馬鹿馬鹿しいわ」
私は今度こそ二人をきつく睨みつけ、最後通牒を突きつけた。
「それを解決する力もないくせに、みだりに手を出してはじめよりも面倒なことにして、逃げ出した卑怯者を何人も知ってるわ。あなた達は今、卑怯者になろうとしてるの。
あなた達には、それを解決するだけの力はあるの？
ないくせに、どうして自分から危険に首を突っ込むの。
それは勇気ではなく、蛮勇と言うのよ」
私はうるさく喚いていたロンではなく、終始黙り込むハリーに向けて言った。
とうのハリーは嫌そうに顔を顰めて、パッと顔をそむけて談話室を出て行ってしまう。
それを追いかけるロンが去り際にフンと鼻を鳴らしたが、私は我関せずとソファにどっかりと座った。
これであの二人が改心するとは到底思えない。
だが、スネイプはなんとかすると言っていた。
私が手を引く以上、先生方に全て任せるのが良策だろう。
その日から、私はハリー達と全く話をしなくなった。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
