Voix de l'ange 4 ページ6
‐
送ろうカ？なんていう提案をやんわりと断り、私は帰路についた。果たして彼の顔を自分は覚えていられるだろうか。人の顔を覚えるのは苦手だ。名前を言われればわかるのに、顔だけを見せられたら分かる自信がない。
ただ、澄んだ琥珀色の瞳は、いつまでも目の奥に焼き付いていて。
アイドル科なんて他の科の人間からしたら高嶺の花みたいなもので、話す機会などほとんど与えられないのだ。今日のことは忘れないかもしれない。でも、それは「もし」の中の話であって、忘れるときは忘れるのだ。人の記憶は無限じゃないから。一つ覚えるたびに、一つ何かを忘れるのだ。
ああ、アイドル科と言えば、彼もそうだったかもしれない。
演劇部でなぜか公演後にいつも話しかけてくる人。何でも出てくるジャケットを着ているあの人。あそこからはいつも予想だにしないものが飛び出してきた。名前も顔も覚えていないけれど、初対面の時にアイドル科だと言っていた気がする。
道を淡く照らす外灯の下を行けば、そこには多くの虫が群がっていた。その中には勢い余って近くのクモの巣にかかるものもいる。人間の世界だってそうだ。いつだって弱肉強食で、下手なことをしたやつから強者に食われていく。生き残るには努力をしなければならない。流れに身を任せて、よく考えて行動しなければならない。
ならば、こんなにもたくさんの人が競争に身を突っ込むのは何故だろう。成功するのなんてほんの一握りだけで、その中に自分が滑り込めるのかなんて分からないのに。でも、私だってその競争の中に身を置いているのだ。
夏は、私の悩みなんて知らないように過ぎ去っていく。だから、私も止まっているわけにはいかないのだ。波に逆らう勇気なんて、今の私にはないのだから。
いつまでも、あの日の夢を見ているわけにはいかない。前を向かねばならないのだ。
。。。。。。。。。。。
そんなに変更点ない…
‐
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
草谷 玲(プロフ) - Hana@美月姫さん» コメントありがとうございます!!長い間更新してないと話の内容を忘れてしまってちょっと放置していたのを後悔してます…w 更新遅くてごめんなさい。頑張ります!! (2017年3月11日 1時) (
レス) id: 36db035794 (このIDを非表示/違反報告)
Hana@美月姫(プロフ) - テストお疲れ様です！ 作者様のペースでこれからも更新頑張ってください♪ (2017年3月10日 23時) (レス) id: 6ef80e5a16 (このIDを非表示/違反報告)
草谷 玲(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます。そう仰っていただけて嬉しいです。こっそりフォントも変えて、打てる文字も多くなったので、推敲はしようと考えています。主人公のしあわせを願っているので、なんとか自分の思い描いた終わりに持っていければな、と。 (2016年12月29日 21時) (レス) id: 36db035794 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 私は作者様自身が作品に愛着が持てるような作品を作っていただきたいので、推敲したいと作者様が考えるなら推敲するのに賛成です。待ってます^^ (2016年12月29日 20時) (レス) id: cc1036df59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：草谷 玲 | 作成日時：2016年11月25日 23時
