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秘密 ページ16

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初めての美味い食事を終え、食器類を流しへ運ぶ。
有一郎と無一郎は妾の顔を見る度、そっぽを向いたり目を泳がせたり。顔も赤くなっていた故、風邪かと心配だった。

ゆ「り、凛月姉…、湯殿に入ってきなよ……///」

む「俺らが全部片付けておくから……///」

凛「…分かれり」

ゆ「あ、不死川さんと一緒に入る事になるけれど……」

凛「構はず、背中を流してやればよかえ…」

着替えと大きめの手拭いを手渡され、浴室の方まで歩く。脱衣場に着き、その場に着替えを置き着物を脱いだ。手拭いを体に巻きつけて、浴室の扉を開けた。

カラカラ…。

不「あ?…ってテメェ!何のつもりだァ!?」

明らかにやや焦った。此奴、意外にも他の身に慣れとらんのかえな。

凛「何もせぬぞ。お主の背中を流させておくれよ」

不「……ッチ」

舌打ちしながらも、泡の付いた布を渡して来た。彼に湯を掛け、布で背中を洗う。

ゴシ…ゴシ…、ゴシ…ゴシ。

不「………(丁度いいくらいに力強ェ)」

凛「お主の傷は、強さの証やな」

不「そうかよ…」

凛「…傷は、消えぬ己の記録として残る。悪い事も、良い事も口で語るよりも鮮明に…」

不死川の背中を洗い終わり、湯を掛けた。彼は浴槽に浸かり、妾は椅子に座り手拭いを取る。

不「!おまっ…、男……って、それ…」

凛「あなや、コレか…」

やはり見られてしまうか。今まで人間になる事が少なかったのは、これが理由でもある。
人間の姿になると背中には、たくさんの跡が浮き出るからだ。大昔に出来た斬り傷、刺し傷、火傷、爛れ、……などなどの痕跡が残っている。

凛「あのお方に逢う前からあるんよ。多分、500年以上前に出来たものやえな」

不「!?(男だったのも驚いたけどよォ…、500年前ってどんだけ生きてんだこいつ)多分ってお前、覚えてねェのかァ…」

凛「全てにあらず、断片的にはちと覚えておるよ。これに関する記憶では、恐らく色んな輩から受けたものだな…」

記憶では老若男女に囲まれて、見せしめのように一人一人から拷問を受けた。泣き叫ぶ妾を見て其奴らは、滑稽だと言わんばかりの不気味な笑みを浮かべていた。軽蔑と嘲笑、の方が正しいだろうか。

凛「お主の背よりも汚かろう」

曖昧な笑みを作り、黙々と自分の体を洗った。

不「………」

ザバッ……。

不死川が湯船から上がり、布を取って背中を洗い出した。妾が先程したように、同じくらいの強さで。

不「さっきのお返しだァ…」

凛「……ふふ、かたじけなく」

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(プロフ) - とても良い作品ですね!お気に入り失礼します!好きです(((更新楽しみにしています! (2020年3月7日 0時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
Graecia devil sardine(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます!前に遊んだスマホアプリに出てきた女の子の話し方を真似てみました。 (2019年11月23日 12時) (レス) id: 890b359372 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ - 面白いです!夢主さんの喋り方めっちゃ好き… (2019年11月23日 12時) (レス) id: 98acb8ec1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Graecia devil sa-thin | 作成日時:2019年11月13日 20時

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