【鬼滅の刃】鬼殺隊最強の(元最年長)無柱はヒーロー嫌い。

壱(転生と理不尽) ページ4

目を覚ますと、そこは暗い部屋の片隅。

結｢此処…、何処？｣

何でこんな所で寝そべっているのだろう。
頭に違和感を感じ触ると、何かネチョッとした液体が手についた。赤黒くて生暖かく鉄臭い。
それは血だ。この場合普通ならば驚いて痛がったり、発狂してしまうのかもしれない。だが生憎、血なんて物は見すぎて慣れてしまった。ましてや自分から血が流れているなんて、全く痛くないので何ともないが。
とりあえずこの部屋を出るか。
床からゆっくりと立ち上がり、壁に手を付けて歩く。少しの間歩いていると、壁から突き出た出っ張りを見つける。ドアノブだ。結構高い位置に着いてるもんだなぁと思いながら、手を伸ばしてノブを回す。扉が開き、隙間から陽の光が差し、風の流れを感じた。
大きな音を立て開く扉の先で見たのは、血塗れた部屋と男女の遺体。その中央に成人男性らしき人影。

？｢……あ？誰だお前｣

呆然と立っていると、頭の中に何かの記憶が流れ込んだ。目を覚ます前の、転生した子供の僕の記憶が滝の如く頭に入って来る。
目の前にある男女の遺体は自分の両親だった事。
男が突然家に来て、“個性”という能力で父の胸部を刺して殺した事。
僕は直後に鈍器のような物で頭を殴られた事。
母が咄嗟にあの部屋へ隠し、為す術もなく男に殺された事。

結｢…お前こそ誰。何で、母と父を殺した…｣

？｢……はぁああ？こいつが、お前の親ってか？…ははは…｣

笑い出したかと思えば、腹を殴られた。息苦しく吐瀉物もろとも噎せ、肩で息をする。服に拳の血が付着した。

？｢お前の親父は俺のはずだよ？！お前のお母さんが勝手に浮気しやがったんだよ、お前はそいつとの餓鬼だ！｣

愛してやったのに、恩を仇で返されちまった！！と、ギャーギャー喚き出す。見苦しい。お前みたいな奴が誰かを愛せるなんて夢のまた夢だ。

？｢なんで俺が、こんな目に合わなきゃならねぇんだよ！！！クソがクソがクソがクソがクソが！！！！｣

子供のように喚くそいつを見て、密かに嘲笑を浮かべた。

結｢…お前みたいな奴に好かれて、母は可哀想だ。お前みたいな奴を産んで、増やしそうになったんだから｣

なんて、嘲るように言い放った途端、男は顔を歪ませまた殴りかかって来た。うわぁ、めっさ短気。
誰かさんらの方がマシだな。もちろん攻撃は避ける。そのまま外に続く窓を蹴破り、飛び降りて受身を取り突っ走る。
前世柱の身体能力舐めんなよ？

結｢殺れるもんなら殺ってみろっての！！！｣

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