【鬼滅の刃】鬼殺隊最強の(元最年長)無柱はヒーロー嫌い。

弍拾陸(//) ページ29

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乾いた発砲音が響き渡る。何が起きたのか理解出来ず、ただ立ち尽くしていた。無一郎の頬に血痕が付いている。彼の体を見るけれど、撃たれた跡がない。
なんで皆、そんなに青冷めてるの？
下腹部に違和感を感じ、触れてみると大量の血が付いていた。ああ通りで、

きゅうにさむくなったんだなあ。


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無一郎side
結樹兄さんが近付いてくる。俺も自分から近付く。
頑張ったねって抱き締めたかったから。その時、乾いた発砲音が近くで響き、顔に生温いものが付着した。
それが何であるか理解する前に兄さんを見て、分かる程に絶句する。右下腹部に赤い穴が空いていた。
兄さんは理解出来てない様で、赤い物に触れた直後にゆっくりと前方に倒れてしまう。

む｢兄さん！！！｣

錆/し/炭/善/伊/カ/玄｢｢｢｢結樹(様/さん)！！！｣｣｣｣

皆が兄さんの傍まで駆け寄る。俺はショックの余り、状況を飲み込めなかった。

｢はは、やった！やったぞ！｣

声のする方を見る、さっきスナイプとか言う拳銃使いが負傷させた敵。そいつも拳銃を持っていて、それで撃ったんだ。…許さない。何で兄さんが撃たれなきゃいけないんだよ。
拳を握り締め炭治郎の止める声を無視し、そいつを鞘に納めた日輪刀で顔を殴打した。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…。
兄さんを傷付けた罪は、命よりも重いから。

？｢無一郎、もう充分だ｣

む｢…不死川さん｣

気が付くと師範である不死川さんが、俺の日輪刀を片手で抑えていた。

実｢鬼を斬っててもよォ、人殺しにはなりたかねェだろ？｣

む｢…はい｣

不死川さんはチンピラの首元を掴み、サツに突き付けると言って出入口の方まで行った。兄さんは胡蝶さんが持って来ていた毛布に包まれ、玄弥さんに抱えられている。仮面で表情が良く見えないけれど、息遣いからしてすごく辛そうだ。

し｢鎮痛剤も打ち止血もしました。症状は低体温症、出血多量、重い負担。…あの型を、使ったんですね。それに加え、強い衝撃による肋骨一本骨折…｣

錆｢先程、鎹鴉にこの事を御館様へ報告するよう命じた｣

し｢ありがとうございます。では、私の屋敷へ向かいましょうか｣

絶対許さない。結樹を悪者扱いした事、傷付けた事、遅れて来た事。精々後悔しろ平和の象徴とヒーロー。
僕は奴らに嫌悪と軽蔑、殺意の目と念を向けて皆の後に着いて行った。

無一郎がなんかヤンデレ…。

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