【鬼滅の刃】鬼殺隊最強の(元最年長)無柱はヒーロー嫌い。

拾参(//) ページ16

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錆｢結樹さんに気安く触るな…っ！｣

錆兎は僕を後ろに誘導し、義勇と共にヒーローの前に出た。無一郎は抱き締めて来て、ヒーローに背を向ける。

｢肩組もうとしただけじゃないですか｣

義｢煩い。偽善者如きが軽々しく、この方に触るなと言っている｣

｢…何？｣

怒ってる。確かにそうかもね。
義勇や無一郎は平然と敵の前に行ったのに、ヒーローとか言う奴は棒立ちになっていた。何かヒソヒソと、関係なさそうな事話してたし。

む｢俺が話している間、何かすれば良かったのに。何をぼーっとしてたの？馬鹿なの？無駄話してる暇があるなら、策の一つでも考えなよ｣

錆｢第一俺達はヒーローなど微塵も興味は無い。勧誘なんてのもそうだ。どんな肩書きを持ったヒーローであっても、その場の印象で全ては左右される｣

結｢僕も…見てるだけだったけど、言わせてもらう。何ですぐに行動に移さない、仮にもヒーローなんでしょ？誰かを待ってた？｣

僕は耳がちょっと良いんだよね、蒲公英には及ばないけど。あの場でヒーローが話していた事、店からほとんど聞こえてた。

｢違う、あれはただ…｣

む｢何が違うの？僕はあの時すぐ近くにいたから、聞こえてたよ｣

すると…、

｢でもあの時、私を助けてくれたから、あなたはヒーローだと…｣

助けられた女は言う。抗おうともしてなかったのに、助けたからヒーロー？随分と簡単に言ってくれる。
女は義勇に近付き手を握ろうとした。その瞬間、彼の顔がぐしゃりと歪んだ。

義｢黙れ！！お前を助ける為ではない、単に騒ぎが煩わしがっただけだ！！助けてくれた？戯言を吐くな！！ろくに抵抗もせず、助けを求めているだけの奴に言われたくは無い！！お前らもだ！！策一つ考えようとせず、都合のいい個性の奴を待ち棒立つ輩が、軽々しくヒーローという肩書きを名乗るな！！｣

青筋を浮かべた義勇の威圧に、ヒーロー達は呆然とした。図星突かれたな。ざまぁ。
何も無かったかのように、彼は此方を向く。

義｢今晩、ヒーローとの会議があるらしい。御館様と柱は皆強制参加だそうだ｣

結｢急すぎにも程かあるだろ。まあ耀哉様が行くなら仕方ないが…｣

義｢では俺達(・・・)は先に蝶屋敷へ行く｣

結｢おう行って…、え｣

む｢…え｣

錆｢え？｣

いってらっしゃい、と言う前に義勇によって姫抱きされる。待って、男同士の姫抱きって。止める前に彼は僕を抱えたまま、建物の上に飛び走り出した。

結｢ｲﾔｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ…｣

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