「ありがとう…ございます」 ページ7
<…シンクロ率が著しく低下している…何か…あったのか…?>
触手から解放され、私はエレベーターに捕まりつつ地へ降りた。
あの後、神田さんとホームへ戻ってから真っ先にここへ来た。
神田さん曰く、あそこにはイノセンスが眠っているらしいがどこかはわからないとのこと。
半殺しにしたアクマに無理矢理吐かせたらしい。
どうにも恐ろしい人だ。
その報告もかねて、すぐにヘブラスカにシンクロ率を確認してもらった。
結果はやっぱりどんぴしゃ。
どうやら私のシンクロ率は59%から18%まで低下していたらしい。
「分かりません…けど、スノーレディは、シンクロ率が理由で使えなくなったと言ってました…。」
<会話のできるイノセンスか…。…今まで見たことが…ない>
「一度だけ聞いたことがあります。どうして会話が出来るのか…。彼女は、「アンタが私を否定していたから」って言ってましたけど…」
何もかもがシンクロ率のせいなのだろうか?
それは少し認めがたいことではあると思う。
シンクロ率のせいで通常意思を持たないイノセンスが意思を持ち、言葉を持ち、夢の中ではあるけど姿を持ち、そして消えてしまうこともある。
<とにかく…このままイノセンスがお前の中に居続けるのは危険だ…。一度、私の中へ戻す…>
「え…も、持ってっちゃうんですか?」
<大丈夫だ…一度休憩に入るだけで、お前がエクソシストであることに変わりはない…>
「…でも」
手すりを握りしめながら俯いた。
…私、せっかく念願のエクソシストになれたんだよ?
しかも、まだ二回目の任務だよ?
それなのに…
「Aちゃん。シンクロ率が低い状態のイノセンスを所持し続けるのはとても危険なことなんだ。波長が合わず、暴れだす可能性だって十分にある。そして、咎落ちも…」
とがおち。
はっとその言葉に私は顔を上げた。
クロス師匠に一度だけ教えてもらったことがある。
シンクロ率が0を切ったもの。
イノセンスに見限られたもの。
エクソシストのなりそこない。
考えただけでぞくりとした。
恐怖に思わず自分の体を抱きしめる。
「咎落ち…」
自分の食いで呟いて、その存在を知らしめるかのように胸に刻む。
もしかしたら。きっと。私は…
「…わかり、ました」
「大丈夫。イノセンスを失ったらって、Aはまだエクソシストのままだよ。」
温かい声にゆっくりと顔を上げれば、微笑んでいるコムイさん。
あぁ、なんで分かったんだろう。
「ありがとう…ございます」
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∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時