「溶けてるよラビ」 ページ41
「…にしても暇さぁあ…」
「まだ乗り始めて12時間も経ってないよ。 溶けてるよラビ」
まるでアイスクリームのように暇さで溶け始めたラビを見て、私は苦笑する。
とはいえ二人だけじゃ出来ることも限られてるしなぁ…私は読書のための本を持ってきたけど、それじゃあ暇をしのげるのは私一人だし。
汽車の中を散歩するにも、あまり面白いものなさそうだしな。
「おっ、A、この汽車の中食堂もあるらしいさ!」
「え、あるの?あるんだったら食べ物持ってこなくてよかったじゃーん…」
ちらりと、私達のベッド(正確には私のベッド)の上に置かれてる大量のスーパーの袋に目を向ける。
言わずもがな、中身は食料だ。
「でも高いんじゃね?」
「さぁ…どうかな」
ラビの暇さオーラがこっちまで漂ってきて、私は背伸びをした。
そのまま自分のベッドに転がる。
「今更だけどさぁ…女と男が一緒の部屋で寝るって、なんかいろいろと問題があるんじゃ…」
「ん?今更だろ」
「あぁそうか、ラビはつまりいっっっっっつもそこらの女と一緒のベッドで寝てるんだね」
「に、任務さ!つか一緒のベッドで寝てねーよ!」
刺々しくそういえば、また慌てるラビ。
これだから彼をからかうのは楽しいんだ。
「じゃあ行く?」
「ん、どこに?」
「食堂ってトコ。 なんか美味しいものあるか見てみたいし」
「おー、面白そうさ!」
興奮した面持ちでラビは立ち上がり、部屋の扉へ向かう。
私もベッドから起き上がり、服を整えて立ち上がった。
「でもこの汽車、結構広いんだね?」
「あー…なんかいろんな部屋があるみてぇさ」
「うわぉ、マジか。 知らなかった。 来るときはずっと部屋に籠ってたしなぁ…」
「ニートか?」
うるさい、という意味を込めて精一杯ラビの背中をはたく。
「いてっ」という声を発しながらよろけるラビを尻目に、私は初めて見る汽車の中を興味深げに見つめた。
何度も言うが、汽車にしては本当にいい外観だ。
中だけを見れば、汽車ではなくホテルだと嘘をついてもバレないだろう。
「聞いたところ二階建てみたいだな」
「何それ、汽車に無駄に金かけすぎじゃない?道理で来るとき、3等席に座っても高かったわけだ」
「そりゃあ客は9日間も汽車ん中に缶詰じゃ、何かエンターテイメントがないと文句たらたらさ」
成程納得な説明をあげられ、私は思わずうなずく。
なんにしても、こんな贅沢な汽車の一等席をしかも無料でなんて、エクソシストはいいとこばかりじゃないだろうか。
(ラビの奴…!)→←「私の黒い過去は私が墓場まで持っていくんだ」
38人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時