「私も賭博で稼いだんだ」 ページ39
「と、いうわけで――」
うるさいラッパ音が響きながら、空いた窓から煙臭い匂いが充満し始めた。
ラビは顔色一つ変えず、私と向かいあい見つめ合いながら左手で窓を閉めた。
ちょうど閉めた直後に、黒い煙が流されるように窓を横切って行った。
「9日間耐久！列車の旅の始まりさ！」
「ぱふぱふぱふ〜」
ぱちぱちぱち、と味気ない拍手が1等席の部屋の中に響き渡った。
あれ、私達なんか空しくないかこれ？
いつものごとく、一等席は個室。
2人1部屋となっていて、傍にはロフトベッドがあった。
既にどちらが上に寝るかじゃんけんは終わっていて、残念ながら私の負けとなってしまった。
つまりラビは上のベッド、私は下のベッドで寝ることになっている。
一見汽車の一室には見えないほどきれいな部屋だ。流石一等席。
しかもこの一等席を無料で使わせてくれる「ヴァチカン」は、もっとすごい。
ただスーパーではヴァチカンは使えなかったようで、私とラビの割り勘となった。
どうやら政府が指揮を執っている施設などでしか使えないらしい。
「にしても、9日間暇だねぇ」
「そうだな。 一応トランプ持ってきたけど、二人で遊べるゲームとか限られてるしな。 ババ抜きやるか？」
「それ、一番二人でやっちゃいけないトランプゲームだよ」
バララララ、と音を立てながらラビは慣れた手つきでリフルシャッフルしていく。
でも懐かしいな、カード。
「そういえば、前もこんなんあったなー」
「え、何が？」
「いや、クロちゃんを教団に迎え入れるとき、アレンと俺とクロちゃんで汽車に乗ったんさ」
クロちゃんってもしかしなくてもクロウリーさんのことだよね。
へぇ、クロウリーさんがエクソシストになったのってひょっとして結構最近のことかな。
「その時、クロちゃんがカモられちまってさ」
「あー…乗客の方に？」
「そう。 で、アレンが相手することになったんだけど…」
「ぼろ勝ちしたんだね？」
「よくわかったな」
「私でもできるから」
笑みを携えたまま、私は固まったラビの手からトランプを奪う。
そしてテーブルでトントンとカードを整え、シャッフルを始めた。
右手から左手へ、そのまま左手から宙を滑り右手へ
ドリブルからワンハンドシャッフルへ、そしてマシンガンシャッフル。
ラビの感嘆の声を聞きながら、私はコートの袖の下からスペードのエースを取り出し、弾くように彼の方へと飛ばした。
いつの間にカードを、と目を見開くラビ。
「私も賭博で稼いだんだ」
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっｗ興奮しすぎじゃき（ 読んでくれてありがとう！少しずつ二人の仲を近づけていきたい！…です（ (2014年5月17日 19時) (
レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお？ついに？ついに？ラビへの思いに気づくか？ (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます！いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします！ (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです！更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です！更新、頑張らせていただきますね＾＾ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年1月12日 15時
