「…サポートしか、じゃないですよ。」 ページ21
「うわぁ。」
がやがやとうるさい人の声。
がさがさとうるさい紙の音。
がりがりとうるさい筆の音。
すごいここ。
嫌だここ。
勉強なんて、レバーの次に嫌いだ。
だってレバーって。あの粉っぽさが。あの粉っぽさが!!
あとなんか臭いし。
「…大っっ変なんですね、化学班って。私達エクソシストがこれほど楽な仕事なんだと理解できました。」
「はは、そんなことねーよ。」
リーバーさんはファイルを肩に置きながら笑った。
リーバーさんもイケメンの部類に入るよな。
隈がなければもっとダンディーなんだろうけど、隈があると危険っぽい感じがある。
そういうところ、十中八九どんぴしゃりで女子のハート鷲掴んでいるんだろうなぁ…
ぼーっとリーバーさんを眺めていたら「なんだよ?」とこちらを見下ろしてくる。
別に身長さなんて気にしていませんけど?
悔しさに思わず拳を握ると、唐突にリーバーさんが話をつづけた。
「エクソシストっつーのは、戦争に出かける戦士だろ。俺らはそれを後ろでサポートするしかできねぇからさ。」
優しそうな笑みを浮かべて、リーバーさんは困ったように言う。
あぁ、この人も世界を救いたいんだと、わかるような笑みだった。
「お前らが命かけて戦ってんだから、こっちも死にもの狂いでやんなきゃな。」
「…サポートしか、じゃないですよ。」
ん?とこちらを振り向いてきたリーバーさんに笑いかける。
大きな背中。
化学班の班長とは既に聞いたけれど、その分責任も重大だし仕事も多い。
何より、背負うものも大きくなってくる。
この背中には、どれだけのものが背負われてきたんだろう。
どれだけのものを、背負ってきているのだろう。
「貴方たちがここで頑張っているから、私たちも背中を押されて頑張れるんです。あなたたちがいなかったら、私達だって匙を投げているかもしれない。でも、私達より頑張ってくれている人がいるから、支えてくれる人がいるから。」
だから、と小さく呟いた。
最後まで言う必要はないと思った。
だってこの人なら、私の言わんとしていることが絶対にわかるから。
やっぱり、照れ臭そうに笑ったリーバーさんは「サンキュな」とお礼を言ってきた。
「って、大して中身のないもの言ってても、どっちにしろイノセンスない私は役には立たないんですけどねー。」
「え、イノセンスの話、本当だったのか?」
「残念ながら…」
たはは、と眉を下げて苦笑する私を見てリーバーさんは言葉を失った。
それでも格好いい…。
38人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時