「憧れちゃうなぁ…」 ページ13
「どうも、ありがとうございます。」
唐突に言われたお礼に、クロウリーさんは全く何も理解できないようだった。
それもそうか、と小さく苦笑してから私はクロウリーさんに告げる。
「いろいろ、あったんです。ちょっと、急展開すぎて落ち込む暇もないほどだったけど、本当にショックで…でも、クロウリーさんのおかげで、気持ちが晴れました。」
「そ、そうだったのであるか…それは…」
慰めをかけようとしているが、私の身に何が起きたのか理解できないであろうクロウリーさんが、手を顎にあてて考え込み始めた。
そんな、あったばかりの人に気遣ってもらえるという人の温かさに触れられて、面白いのにすごく嬉しくて。
くすり、と笑えば、へたりと謝られてしまった。
「謝らないでください。嬉しくて笑ってるんですから。」
そういいながらくすくす、と笑えば、クロウリーさんも遠慮がちに笑みを見せた。
それからは、お互いの壮絶な過去(クロウリーさんの過去が主に)について語り合った。
語れば語るほど楽になっていく自分の体を感じて、クロウリーさんをもっと近くに感じてしまった。
「エリアーデさん、ですか…綺麗な方だったんですね。」
両手の指と指を合わせ、口元にあてる。
頭の中では、クロウリーさんが教えてくれたエリアーデさんの姿を思い浮かべる。
アクマだけど、美女で…髪はセミロングでおさげ、金髪の髪の毛に赤を灯した瞳。
愛を求めたアクマ。
それはどれだけ、美しい人だったんだろう。
「憧れちゃうなぁ…」
はぁ、と小さく溜息をついた。
私も、クロウリーさんが愛したエリアーデさんみたいに、綺麗になりたいな。
恋する女性は美しいって言うけど、初恋もまだなんだもんなぁ、私…
だからいつまで経ってもお子ちゃま体型なんだ…。
しょぼん、と落ち着いていると、唐突にクロウリーさんが声を出す。
「エリアーデは、ずっと私を見守ってくれていると…そう信じているである。」
「見守って、くれてる…ですか?」
私を見ながら頷くクロウリーさんの瞳は、強く美しい光を宿していた。
それは、覚悟なのだろうか。
その漆黒の瞳に射抜かれたように、私はただじっとその瞳を見つめた。
こんなに強く愛されて、エリアーデさんが幸せじゃなかったはずがない。
羨ましい、と素直に思ってしまった。
「私が想っている限り、エリアーデは消えない。だから私は、エリアーデを想い続けるである。」
自信満々に言うクロウリーさんに、私は笑った。
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∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時