私は頑張れる。 ページ14
「Aも大変であるな。まだエクソシストになって数日もたってないのに、悲憤なことだ。」
「…戻れるかどうか不安なんです。どうすればイノセンスのシンクロ率が上がるか分からないし、また拒絶されたら…って思います。」
私の不安げな表情に、悲しそうに同情してくれた。
それだけが今、すごく心強い気がした。
「でも、諦めるつもりは無いよ。」
微笑みを浮かべてクロウリーさんを見た。
クロウリーさんはじっと私を見つめていた。
「誰がなんて言おうと、イノセンスを持っていなくとも、私はエクソシストだ。誰にもその事実を否定させない。私はエクソシストになるって、ここに来た日決めたんだから、諦めないよ。」
両手の人差し指で遊びながら、私は微笑んだ。
膝をたて、体育座りをする私の横で、クロウリーさんは衣擦れの音をたてながら体をずらした、
ちら、とクロウリーさんを横目で見れば、彼と目が合った。
さっきからずっと、真剣な瞳で私を見ていた。
それだけ真剣に話を聞いてくれて、すごく嬉しいという感情を覚えた。
「第一、みんなが言ってくれたんですもん。ヘブラスカも、コムイさんも…私はまだエクソシストって言っていいんだって。」
ちょっと怖いし遠慮しちゃうけどね、と小さく笑ってみた。
指を絡ませたり解いたり、面白くもない指遊びをしながら私は言い聞かせるように話をした。
だんだんとずっと座っているせいかお尻が痛くなってきた気がする…。
「でも、神田さんに謝りたいです。足引っ張っちゃったし…」
「神田?一緒の任務だったのか?」
「うん…アクマの大量発生で…結局あの人、一人で片付けちゃったんですけど…強いな、神田さんって。」
「あの男は…エクソシスト内で一位二位を争う強さである。そう簡単には追いつけない。」
まるで心を見透かされたような言葉に、私はばっとクロウリーさんのほうを見た。
美しい笑みを浮かべていた。
白すぎる肌に、その笑みは綺麗な弧を描いていて、思わず目を見張った。
「強くなりたいのだろう?私も手伝ってやるから、そう気を落とすな。」
「あ、…ありがとうございます、クロウリーさん!」
急に雰囲気が変わった気がして、だけどそれを構う余裕もなくて、嬉しさに素直に申し出を有難く受け取っておいた。
正直不安だった。
不安だらけでどうしようもなくて潰れてしまいそうだった。
でもクロウリーさんがいたから、人の温もりに触れられたから、一人じゃないから。
私は頑張れる。
今からでも。
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∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっw興奮しすぎじゃき( 読んでくれてありがとう!少しずつ二人の仲を近づけていきたい!…です( (2014年5月17日 19時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお?ついに?ついに?ラビへの思いに気づくか? (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます!いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします! (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです!更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です!更新、頑張らせていただきますね^^ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年1月12日 15時