「本当に、熱には…触れられなくて、」 ページ23
「むっ、無理無理無理無理！」
私の最大の弱点と言ったら何なのだろう。
私に弱点なんていっぱいある。
野菜食べられないし、頭は弱いし、まず人間として不出来だ。
むしろ弱点じゃないものが何なのか問いただしたいほどある。
擽りにだって弱いし食べ物にはつられるし、クロス師匠によれば私ほどの単細胞を見たことないのだそうだ。勿論、悪口に耐えられるだけのメンタル力もない。
だがその中でも秀でて弱点がある。
それは、熱。
雪女を体に宿していた私にとって、熱というのは大敵以上の何物でもない。
ラビと行った任務でやられたように、氷は熱で容易に溶かされる。
生まれついて雪女を体に宿していた私は、ろくに熱の下に居座ったことはない。
何より、少しでも熱があるとスノー・レディに文句を言われるのだ。
雪女本人であるスノー・レディは、言うまでもなく私より熱が弱いから。
だから、気温が35度行けばクーラーなしじゃ生活が出来なくなってしまうレベルで熱に弱い。
それは水の温度などでも同じこと。
ろくにお湯に触れた記憶はないし、ものすごい猫舌だ。
料理は出来るだけ冷ましてから食べるしかないし、飲み物も冬ですら冷たい飲み物しか飲まない。
大体、私は「寒すぎる」ということはないから、冬でも無理に体を温める必要がないし。
というわけで、私にコーヒーを入れろなんて無茶な話である。
確かにもうすでにスノー・レディは体内にいないが、それでも生まれてからこのかたまともに熱に触れたことない体は、熱に触れることを頑なに拒む。
なんで冷水でコーヒーって沸かせないんだろう。
「大丈夫よ？ほら…」
そういってリナリーちゃんが慣れた手つきで、ビーカーに入った水を湧かす。
ゆらゆらと燃えるアルコールランプの火が、私にとって恐怖の象徴でしかない。
吸い込まれそうに揺らめく明かりに、自然とじわりと冷汗がにじむ。
「本当に、熱には…触れられなくて、」
「え、そうなの？」
ぽつりとつぶやけば、リナリーちゃんが驚いた顔をする。
そういえば氷使いだったっけ、と思い出したようにつぶやくのが聞こえた。
ごくり、と喉を鳴らしてゆっくりとビーカーに手を伸ばす。
大丈夫？とリナリーちゃんに聞かれたから、ゆっくりと頷く。
誰かの役に立ちたい。
これなら、リナリーちゃんが忙しいときや任務に出てるとき、私が化学班のみんなを手伝える。
役立たずの私でも、誰かの役に立ちたい。
ゆっくりと、熱がじわりと指を溶かしていく感覚がした。
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっｗ興奮しすぎじゃき（ 読んでくれてありがとう！少しずつ二人の仲を近づけていきたい！…です（ (2014年5月17日 19時) (
レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお？ついに？ついに？ラビへの思いに気づくか？ (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます！いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします！ (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです！更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です！更新、頑張らせていただきますね＾＾ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年1月12日 15時
