「…イノセンス…ッ？」 ページ3
ガラスが割れるような音があたりに響き渡った。
先ほどのような光の結晶がきらきらと私の足元へ落ちていった。
「っぁ…！」
驚きも束の間、焼けるような痛みが肩を突き刺した。
あまりの痛みに思わず床に膝をついてしまい、蹲ってしまった。
「な、んで…ッ、」
じわじわと血が団服を濡らし、手のひらに生暖かい感触を感じる。
だけどそれ以上に、私の表情は驚きに満ちていた。
「スノ、レ…ディ…？」
ぼそりとつぶやかれた言葉は、自分に向けられた言葉か否か。
周りをアクマに囲まれているというのに、私は構わず叫び続けた。
驚愕が全身を包み込む。
次第に体が恐怖で震えてきた。
「…イノセンス…ッ？」
声が震える。
遠くでレベル2が何かを言ってくる声がする。
ゆっくりと地べたに這いつくばる私の瞳は、見開かれたままだ。
だって、どうして。
「スノーレディ…？ねぇっ…ねぇっ！！」
いきなり叫んだせいか、喉が少しだけ痛んだ。
それも気にしない。
「ねぇっ！！スノーレディ、スノーレディってば！！冗談ッ…やめてよっ！！なんでっ…スノーレディ！！！」
馬鹿みたいに叫び続ける。
その間も、攻撃がやむことはなかった。
レベル2はただ忠実に私を殺そうとする。
「ッ、が、ぁう…っ」
衝撃とともに体のあちこちから焼けるような痛みが走る。
攻撃を受けた部位から、どくどくと鼓動のようなものが聞こえた。
「嘘…でしょ…」
ざらざらした床を握りしめた。
何も起こらない。
…何も、起こらない。
ガチン、という機械質の音が響いた。
いつの間にかレベル1に囲まれていた。
自然と涙が溢れてきた。
どうして、どうして…
「何やってんだ！！！」
急に耳をふさぎたくなる怒号が響き渡り、黒い影が私の前を舞った。
涙で歪んだ視界に、彼の姿が歪んで見える。
血にまみれてしまっている私を見て、神田さんは舌打ちをした。
「チッ…六幻！爆魄斬！！」
爆発音のような音があたりに響いて、放心状態の私でも思わず耳をふさいだ。
それと同時に、体を引っ張られる感触がした。
「何やってんだテメェは！！一旦引くぞ！！」
神田さんに引っ張られて、私の体も宙を舞う。
無気力な私は、ただされるがままだ。
あぁ、どうしよう。
神田さんの足を引っ張っちゃった。
役立たずだ。迷惑かけちゃった。
どうしよう、……どうしよう。
答えなんて出てくるわけもなくて、
ただ瞳にたまった涙がゆっくりと頬を伝っていく。
………どうして。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - ログ@エネさん» ちょっｗ興奮しすぎじゃき（ 読んでくれてありがとう！少しずつ二人の仲を近づけていきたい！…です（ (2014年5月17日 19時) (
レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
ログ@エネ(プロフ) - おおおおお？ついに？ついに？ラビへの思いに気づくか？ (2014年5月17日 0時) (レス) id: 4873300096 (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 夏みかんさん» そんな嬉しいこと言わないでください…マジで感激で泣いちゃいますよ>< 本当にありがとうございます！いつも閲覧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうかよろしくお願いします！ (2014年5月12日 17時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん - 素晴らしいです。あぁ、めっちゃ好きです！更新頑張って下さい。 (2014年5月12日 15時) (レス) id: 6748ba7e6c (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - 羽さん» 楽しませることができて光栄です！更新、頑張らせていただきますね＾＾ (2014年5月3日 23時) (レス) id: c31f9c6564 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年1月12日 15時
