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第三十二話 ページ35

「…Aちゃん…。」

「おい人虎。」

とぼとぼと歩く敦に誰かが声をかけた。


「あ、芥川!?

 …腕に抱いてるのって…Aちゃん!?

 なんで…まさかお前が…!」

芥川の抱きかかえている血まみれの少女を見て敦は目を丸くした。


「違う、この娘は自分で自分の胸を貫いたんだ。

 貴様達のために。」

「そんな…なんで…。」


「貴様たちが光を見せたせいだ。

 光がAの目を眩ましこのような状況を生んだのだ。」


「っ…!」

「…Aは死んだ…貴様達のために自分を殺したのだ。

 処分せよと命を受けたが…。」

芥川は少女を敦へと投げ捨てた。


「死んだ者など僕達にはいらぬ、好きにするがいい。」

そう言うと芥川はどこかへと去っていった。


「…Aちゃん…なんで…僕達はこんなこと望んでないよ…。

 もっと…君と…いっぱい…美味しいもの食べたり、遊んだり…やることはたくさんあったのに…。」

少女を見て大量の涙を流す敦。


「……敦…泣いてるの…?」

敦の頬に何かやわらかい感触があった。

そこにはうっすらと目を開け敦の頬を撫でる少女の姿があった。


「…A…ちゃん?

 なんで…だって…死んだって…。」


「…ずっと前に…与謝野先生が…私に異能力を見せてくれたの…。

 役に立つだろうって…。」

少女の体を見ると血まみれなのは服だけであって身体にはなんともなかった。


「じゃあ芥川はわかっていたのか…。」

「多分…龍之介はわかってたと思う…。」


「でも…君が生きててよかった…。

 おかえり、Aちゃん…。」



「…ただいま…。」

少女は泣きながら笑顔を見せた。

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にゃあめ - やつがれ君分かってて渡したのか……推し優しすぎだろ………すきぴ (2021年2月11日 20時) (レス) id: bcb659b3e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - いえいえ (2019年8月21日 17時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
ごごねこ(プロフ) - 黒薔薇さん» アアアアアア!ありがとうございます!ですが描きなおしたのが勿体ないのでこのままにします!ごめんなさい!!!!!! (2019年8月21日 16時) (レス) id: 62117aa9f8 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 『http://uranai.nosv.org/uploader/common/2/e/4/2e42882cc29720f8f1d22c4dd5fa2317.png』 (2019年8月21日 16時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 勝手に保存しちゃってごめんなさい (2019年8月21日 16時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:午後の猫茶 | 作成日時:2016年6月29日 0時

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