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十四眠り目。 ページ14

“彼”に会うのは久々だった。

何度かアジトには挨拶に行ったが、忙しい彼のこと、姿は見えなかった。

……マフィアにとって、彼は特攻隊長みたいな存在だ。


ひとまず先に送り込んで、暴れさせる。

その行く先が良くも悪くも、彼には状況を変える力があるという事を、組織は良く知っている。


だからこそ彼は使いっ走りにされることが多い。







「……A」

芥川さんは私を見て一瞬顔を綻ばせた。

彼の笑顔を見たのはひさしぶりだったけれど、微笑みの理由を十分理解しているので素直に喜べない。

芥川さんの目は、私を通して、結局あの人を見つめている。


期待したのだろう。

私がいるなら、太宰さんも来ているかもしれない、と。



……何故、彼は太宰さんに依存するのか。

解っている、太宰さんが単に、依存されるのが上手いからだ。

誰からも必要とされないこと、存在意義を見失うこと、死ぬこと、それらを一番恐れている太宰さんは昔からそうだ。

かっこつけるのが死ぬ程上手い。


……自 殺愛好家?

彼が死を望んでいるのなら、とっくのとうに私が殺している。

でも彼は、私にそんな隙を与えない。


太宰さんは、醜い位に生に固執しているのだ。

なんで解るかって、


彼と私は似た者同士だからである。


……太宰さんは教育、洗脳が上手い。

飴と鞭を存分に活用し、自分の権威を強く誇示する。


……嗚呼、反吐が出る。


「お久しぶりです、芥川さん」

そう笑ってみせると、「君、この娘の知り合いか?迷子らしいんだが……」と本官が横槍を入れる。


「迷子、か……」

「勿論嘘ですよ。



私は、


あなたのテロを止めに来ただけです」


そのまま芥川さんの持つ荷物に目を向ける。



____「斜陽」。

十五眠り目。→←十三眠り目。



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まっちゃ - すごく面白いです!更新待っています (2021年8月17日 14時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
すい - はじめまして。つい、一気に読みきってしまいました。 素敵な作品をありがとうございます!! (2020年8月10日 20時) (レス) id: 00923fd203 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - キタさん» お気遣いの言葉、ありがとうございます。作者は受験生の身ということもあり、春までは超不定期更新が続くと思いますが、少しずつ更新して行きたいと思っております。コメントありがとうございました (2016年11月4日 4時) (レス) id: 5a4cb24d14 (このIDを非表示/違反報告)
キタ - 続き、待ってます!あ、でも無理はしないで頂きたいです……(汗 (2016年8月7日 17時) (レス) id: 8f0d08bbdf (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - キタさん» まじですか……光栄すぎて言葉出ねぇです……夢主ちゃんについても、これから明らかになっていく予定ですので、どうぞ生温かい目で見守りください。コメントありがとうございました (2016年7月11日 2時) (レス) id: 851c864111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水団子 | 作成日時:2016年5月15日 5時

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