( 続 )「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 52 ページ2

Reo side





狙った獲物は逃がさない

魚は嫌いだけど 釣るのは得意って感じ


今までそうやって生きてきた
面倒な事はうまいこと交わして、適度に遊んで


仕事やダンスに夢中になって

恋愛なんてしてる場合じゃないことくらい分かってるから、本気になんてならなかった。





「 玲於さん、なんか元気ない？」

玲於「 そ？フツーだよ 」





よりによって、本気で欲しくなった相手が

いとも簡単に。それも身内に横取りされたような気分になって

悔しいを通り越して俺は情けなくてたまらなかった



ガラじゃないけど、自然と泣けてくるもので

久しぶりに泣いたな。なんて思ってたら
コイツが突然家に来るって言って





「 ちょっと腫れてない？大丈夫？」




よりによって、浴衣姿ってゆー
めちゃくちゃ可愛い姿で俺の家なんかにきて

もうコイツ、ホント恐ろしいわ


誰のせいで俺が目腫らしたと思ってんの？






玲於「 大丈夫だから、触らないで 」

「 … え、あ、ごめんなさい 」





これ以上俺に構うなよ

今まで通り、俺と仲良くなる前くらいの感じでいてよ。

どんな時もクールで、冷静で落ち着いていて

ちょっとやそっとじゃ心開かないような
あの頃のAちゃんでいてよ





玲於「 ごめん …… 今のはそう言うんじゃなくて、」


「 … うん 」





俺に冷たくされたくらいじゃ、何も動じないとか。

頼むからそんなに哀しそうな顔しないでよ
何でそんなにしゅんとしてんの？


ってか何で俺に逢いに来たんだよ

こんな夜に、1人で俺の家に来て、しかも浴衣姿で。お酒まで持ってきちゃってさ



もうこれ。餌撒いてるって思っていいの？


新手の罠だと思って 引っかかっていい？、






玲於「 Aちゃんて、ホントずりーよね 」


「 玲於さん … ？」




瞳ウルウルさせちゃってさ、ちょっと着崩れた浴衣姿で俺のこと見つめてさ

もうそんなのされたら

流石に涼太くんでも 食っちゃうんじゃねぇの？





玲於「 … 頼むから、あんま可愛いことしないで 」

「 可愛いこと … ？」


玲於「 抑えるもんも、抑えきれなくなるから 」






なんつってる俺も、あと少しで彼女を押し倒してしまいそうだった

無理矢理でも唇を奪ってやりたくなるし


もちろん、その先だって …






例えば、彼氏が既に居たとしても

手を伸ばせば 俺のモノになりそうな女だったら

悪いけど力づくでも 奪ってやりたくなるよ？







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