( 続 )「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 53 ページ3

Ryota side






俺がAちゃんを花火大会に誘ったのは

本当に行きたかったって言うのもあるけど
2人のことをちょっとだけ、試したかったから。






涼太「 あの2人、上手くいってんのかなぁ 」


マネ「 え、何が？」


涼太「 んーん、こっちの話(笑)」






なーんて、こんな事言ったら玲於に怒られるかな


Aちゃんがウチに入ってきて、一緒に仕事するようになって

ほら、 Aちゃんって超しっかりしてて真面目ちゃんじゃん？

最初は俺らメンバーも、人見知りっぽい感じだったけど




ある時、この子は俺たちの事を尊敬してくれてんだなって思った

年齢だってそんな変わらないのに、いつも敬語使って色々やってくれて

そりゃ、仕事だから当たり前なんだろうけど

手を抜くことを知らない 真っ直ぐな子なんだなって






俺のこと「 涼太くん 」って呼ぶのも、初めは抵抗あったみたいだけど

現場で話してくうちに 心開いて、笑ってくれるようになって

気付いたら俺以外のメンバーからも「Aちゃん、Aちゃん 」ってモテモテになって






あー、良かったって

AちゃんもやっとGENERATIONSの輪に打ち解けられたなって

でも、玲於だけは違った


Aちゃんの事を名前で呼んだこともなくて

なんなら2人が会話してるのを見た事もなくて




ほら、玲於って好き嫌いが多いから 合わないのかな？って思ってた。


でもある時、玲於は俺たちが居ないところで

Aちゃんを手伝ったり、話し掛けてるって知って



俺面食らって、超面白くなっちゃって






もしかして玲於って、気になる人には逆に何もできないタイプなのかなって気付いて


そこから2人の事を観察してたら

まぁ〜面白くなって(笑)




Aちゃんも、玲於にだけやたらクールぶってるっていうか

内心戸惑ってるのに 平気なフリしてて

やべーこれ面白くない？って。






涼太「 久しぶりに良いことしたな〜俺 」







お互い、自分の気持ちを隠すのに必死で

相手の気持ちに気付いてないのがもどかしくて


じゃあ俺がちょっとだけ 乱入しちゃおっかな
なんて、ただの思いつきなんだけどね。




玲於ってば、俺も行きたいって言えばいいのに

変な意地はってAちゃんの事俺に任せてくんだもん

絶対拗ねてるな、あれは。



無意識かもしれないけど、今日ずっと花火大会の事気にしてたし。




Aちゃんは素直になったんだから

今度は玲於の番だよ？






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