【ツイステ】年中長袖長ズボンのとある先輩

飴は道中で食べた ページ3

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「やっほー。みんなお揃いで。これから食堂に行くのか？」

「あ、はい。」

「ん？ 元気ないなー。暑いもんね今日。水分補給はちゃんとしてる？ 塩分もしっかり摂ってるかー？ あ、塩あめ持ってるからあげるよ。」


はい、と三人の手に塩あめちゃんが渡される。塩あめを持つ高校三年生よ。

にこにこといつもと変わらぬ笑顔と気遣いをしてくれる先輩に三人は思わず戦慄が走る。こ、この人…


(((汗ひとつかいてねぇぇ！)))



本日二度目の驚きが彼らを襲った。
少なくともシャツ、ブレザー、カーディガンと三枚重ねはしている先輩はなんとびっくり。汗ひとつかいていないのだ。涼しい顔である。半袖ワイシャツを肩まで捲って長ズボンの裾も折ってなお汗が滝のように出てる監督生とは大違いであった。え、この人人間？ と大変失礼だが思ってしまう。仕方ないね。

にしても何でこんな厚着なんだ…と三人の頭の中でクエスチョンマークが阿波踊りする。

聞く？
聞くか。
と三人は一瞬の目配せで捉えた。

聞いたのはデュースである。
よりにもよってのデュースである。



「え、とA先輩。なんでそんなに暑苦しい格好してるんですか？」

((ド直球！！))


オブラートなんて破って食べてしまうデュースはストレートにAに聞いた。会話のドッジボールは直線豪速球です！


「え？ ああ。おれのアイデンティティだから。」

「あいでんてぃてぃ。」

「うん。アイデンティティ。」


…アイデンティティ＝三枚重ねってなに？と三人は混乱した。何そのアイデンティティ初めて聞きます先輩。


「あ、そろそろ時間だ。三人も一緒に食堂に行く？」

「「「行きます！」」」


ふにゃりと笑う先輩に三人は速攻返事した。ちょっとアイデンティティの意味分かんないしそれが厚着の理由なのは納得出来ないし汗ひとつかいてないのは怖いけどとりあえず三人は先輩大好きなので考えないことにし、後でリドル寮長達に聞こうと思考の片隅にダンクシュートしたのであった。

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