【黒○】好きすぎて、どうしよう【赤降】

第一話 降旗side ページ1

俺には、好きな人がいる。
はじめて会ったときから胸がどきどきして仕方がなかった。でも、あの人は俺なんか眼中にないんだろうな……って。ずっと、そう、思ってた。

だから、すっごく嬉しかったんだ。


忘れ物をして、ひとり、部室に戻ったときのことだった。

あ、黒子のやつ、ケータイ部室に置きっぱじゃん。明日、持ってってあげよっと。そう思って俺は黒子のケータイを家に持ち帰ったんだ。別に覗き見るつもりなんて欠片もなかった。俺はただ、

……とか言っても。そんなの言い訳なのかも知れないな。心のどこかでは何かを期待して、それで、親切心にこじつけようとしてたんだろうか。

ケータイの待ち受けは部活のみんなで撮った写真だった。俺はちょっと懐かしい気分に浸りながら、なんとなく受信ボックスを開いてみた。

未読、一件。

誰からだろう。

決定ボタンをクリックして、その瞬間、俺は思考が停止した。心臓が高鳴って、それで、ケータイを握りしめた。


from 赤司征十郎
黒子、元気にしてるか。
今度の帝光バスケ部の練習にみんなで遊びに行こうってことについてだが、僕の都合が悪くなってしまったから、日付を変えようと思うんだ。急な話ですまないけど、行ける日をもう一回メールしてくれ。ごめん。


赤司征十郎。
俺の、好きな、ひと。

自分でもどうしてると思う。そんなことわかってる。それでも、好きなんだ。大好きなんだ。

ずっと知りたかった、赤司のメアド。今なら、今なら……っ、俺は、知ることができる。赤司にメールできる。赤司と、話ができる。

俺は連絡先リストから赤司のメアドを盗み見て、俺の連絡先リストに加えた。

俺はたぶん、すごくにやけていたと思う。

第二話 赤○side→

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