FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - 03

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「こいつ、六魔将軍のボスだろ！？」
「Aさんがひとりで…！？ すっごーい！！…あれ？ って事は…あたし達勝っちゃった！？」
「ま……まさか…この私が…やられるとは……ミッドナイトよ…後を頼む…六魔は決して倒れてはならぬ……六つの祈りが消える時…あの方が…」
「あの方…？」

六魔のボスであるブレインが倒れた事で、沸き立つ彼等を横目に倒れた男に近付く。気になる言葉が聞こえたかと思えば、彼の顔の模様が消えたような気がして。思わず眉根を寄せた時、同じようにブレインの言葉を聞いていたらしいジュラが小さく呟いた。( 六つの祈り… )

「みなさーん、大変です〜！」
「やっぱり、この騒ぎはアンタ達だったのね」
「ウェンディ！？」
「この都市、私たちのギルドに向かってるかもしれません！！！」
「え！？」
「みたいだったね。でも、大丈夫ないかなあ？ ボスは倒れてるし…それに向こうではコブラも倒れてるから」
「ひゃっ」

軽やかな足音が聞こえたかと思えば、次に姿を表したのはウェンディとシャルルで。エンジェルの時に分かれて以来、姿を見ていなかったけど…特に怪我は無いよう。

そしてこの都市の移動先を知らなかったルーシィ達は驚いていた様子を見せたものの、ナツを抱えたまま近付いたまま戻って来たアクアの言葉に安堵したように見えた。

「恐らく、ニルヴァーナを操ってたのはこのブレインよ。それが倒れたって事はこの都市も止まるって事でしょ」
「気に入らないわね。結局、化猫の宿が狙われた理由は分からないままなの？」
「まあ、深い意味は無いんじゃねーのか？」
「気になる事は多少あるが、これで終わるのだ」
「お…終わってねえよ…早く、これ…？止め……うぷ」
「あれ！？ ナツ、ごめーん！！」

いつの間にかナツを地面に下ろしていたらしいアクアが未だ乗り物酔いしているナツに驚きの声を上げる。ブレインを倒したにも関わらず、止まっていない。その事実だけで嫌な予感は増して行く。

「デカブツが言ってたな。制御してるのは王の間だとか」
「あれか！？」
「彼処に行けばニルヴァーナを止められるんだ」

然し ──

「何一つ、それらしきものがねえじゃねーか！！！」
「ど…どうやって、止めればいいの？」
「ぬぅぅ…」
「くそ……ブレインを倒せば止められるモンかと思ってたけど…」
「甘かった…止め方が分からないなんて」

ナツとハッピーのふたりに解毒の魔法を、更にナツにはトロイアを掛けてやって来た王の間。矢張りと言った方が良いのだろう。王の間には何も無く、ただ見晴らしが良いだけだった。


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