第12話:命の盾 ( 1 / 4 ) 第三者視点 ページ17
「今すぐ、Aを連れて此処を離れるんだ」
「やだね。オマエが無理なら、代わりにオレがやってやっからさ」
「よせ…相手が悪い。お前はあいつを知らなすぎる」
「知らなきゃ、勝てねえもんなのか?」
「頼む…言う事を聞いてくれ」
「エルザ。オレもお前を全然知らねえ」
「え?」
「けど、勝てる!!!」
「!!!」
片目から涙を流して呼び掛けるエルザにナツは真剣な眼差しで、彼女をゆっくり抱き起こす。戸惑う彼女の腹を容赦なく殴り付けたナツは、気を失った彼女をそっと横たえた。
「噂以上の傍若無人ぶりだな」
「………」
「身動きできねー仲間を痛め付けて満足か」
「エルザが泣いてた。弱音を吐いて、声を震わせていた。そんなエルザは見たくねえ。エルザは強くて凶暴でいいじゃねーか。── 目が覚めた時、いつものエルザで居て欲しいから、オレが戦うんだ」
「面白い。見せてもらおうか、ドラゴンの魔導士の力を」
ふたりがぶつかり合う音を聞きながら、起き上がったA。その目はふたりの戦いを真剣に見詰めていた。
「それが本気か?」
翼撃、鉤爪、咆哮。様々な滅竜魔法を駆使してジェラールへと攻撃を繰り出すナツ。然し、ナツの火はジェラールの着ていたコートを燃やしたのみ。
「この手で消滅させちまう前に一度、
「なんだとォーーーっ!!!」
「よくも儀式の邪魔をしてくれたな。オレの天体魔法のチリにしてやる。── 流星!!!」
「!」
Aには元々の俊敏性と付加術があった為にジェラールに追い付いて居たが、ナツはそうは行かないようで一方的に攻撃を受けるばかり。
「くそ、速すぎる!!!こういう時は目で追っちゃいけねえ。臭い…感覚…音…動きの予測…集中!!集中!!……そこだ!!」
ナツの動きの予測は的を得ていた。然し、更にスピードを上げたジェラールには攻撃は届かず。Aは再び己と、そしてナツへと付加術を掛ける。
「お前の攻撃など二度と当たらんよ」
「……ッ、危な」
「…A!?」
蹴りを食らう前にナツの身を掴んでは辛うじて回避したA。そんな彼女にジェラールは忌々しそうに顔を顰めた。
「纏めて片付けてやる。お前達に本当の破壊魔法を見せてやろう。── 七つの星に裁かれよ、
塔の一部を破壊する程の、今までとは比にならない程の衝撃が、防御する間もなく、容赦無くふたりに襲い掛かった。
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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月25日 16時