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「火竜の……鉤爪!!」
「ホウ」
「フン」
「ナツと互角!? あの梟やるよ」
巨大な割りにはスピード力を持つ梟。大雑把な割りに細かな動きをするナツのスピードに確実に着いてきていて。決して誇らしいものではないけど、暗殺ギルドの名も伊達では無いらしい。
「そろそろ貴様に正義の鉄槌を下してやろう。…ミサイルホーホホウ!!!」
「うわっ」
「ホウ!!!」
「ぬおおおおおおっ」
「ホーホホウ」
「いや、え…? えー!?」
「くだらない技だが恐ろしい」
背負っていたロケットを飛ばした梟。ナツが躱すものの、それは追尾型らしい。ロケットの中から出て来たアームのようなものがナツを捕まえて、天井をぐるぐると旋回した。
「ま……まさか…」
「貴様の弱点は分かっているぞ、火竜」
「マズイ!!あれは乗り物だ!!ナツは乗り物に極端に弱いんだ!!」
「何だと!?」
( 流石に必要ないと思ったから、トロイアは掛けてない… ) 嫌な予感がしたのも束の間、矢張りアレは乗り物に部類されるらしい。完全に乗り物酔いをしているようで。
「弱った相手を確実に仕留める!!これぞ、ハンティング!!今だ!!キャプチャーホーホホウ!!!」
「!!!」
「な…!」
「何するんだ、オマエーー!!!」
「丸呑み…!!? こいつ……!」
「私は捕食した者の魔力を消化する」
アームが外れたかと思えば、そのまま床へと落ちて行くナツ。然し、その落下地点で大きく口を開けて構える梟。そして、唖然としている内にナツを丸呑みにしてしまった。
「ナツを返せーー!!」
「ハッピー!」
「ファイアホーホホウ!!!」
「ぎゃっ」
「消化って…まさか、火竜の魔力を取り込んだのか!?」
「ホホウ!」
「こ…それが暗殺ギルドの実力…」
( 火…って、 ) 止める間もなく、梟へと突っ込んで行くハッピー。然し、梟の拳から出た火。それはナツの魔法そのもので。
「…三人共、少し下がってて」
もう大丈夫だろうと立ち上がれば、そう痛みは走らず。丸焦げになってしまったハッピーを治癒魔法を掛けながら回収すれば、ふたりの傍へと寝かせて声を掛ける。
「シモン。貴方の魔法で5分だけでも暗がりに出来る?」
「あ、嗚呼…それは構わないが…勝算が有るのか? あの火竜でも…」
「大丈夫だよ!!Aだって、強いんだから!妖精の尻尾のS級魔導士だもん!」
彼女は私のやろうとしている事を理解したのだろう。ハッピーを若干、引き摺りながらも後ろへと下がる。シモンも一瞬考える素振りを見せたものの、分かったと頷いてくれた。
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ムーン(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 23時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月25日 16時