逃避行 07 ページ7
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「だから、ただじっと黙って耐えるのはやめてね。」
私は、黒木君と違ってトクベツな何かを持ってるわけじゃない。
私は、気の利いた言葉だって言えるわけじゃない。
けれど、ただ黒木君の側のいる事は出来る。
黒木君の抱えてる何かを解決することも、手助けできることも出来ないけれど。
苦しんでる時間。辛くて、もがいてる時間を。せめて、せめて。
ほんの少しでも、支えてあげることはできる。
ただ、側にいることはできる。
「私、」
微笑む。彼を、安心させるように。彼を、受け入れるように。
「側にいて、黒木君が安心してくれるような存在になりたいの。」
辛いとき、黒木君は私の頭を撫でてくれた。
悲しいとき、黒木君は私の言葉を聞いてくれた。
泣いているとき、黒木君はただただ静かに側にいてくれた。
迷ってるとき、黒木君はいつも相談に乗ってくれた。
いつだって、私は彼に助けられてばっかりで。
だから私には分かるんだ。自分が苦しいとき、悲しいときに側にいてくれる人がいるだけで、
どれだけ救われるかを。どれだけ安心できるかを。私は、彼から教えてもらった。
「黒木君が、悲しいときには」
冷たい、と思ったらそれは波だった。足の裏に流れ込む波は、優しく足を擽る。
崩れかかった山。けれど、中のトンネルの中を繋ぐ私達の手は離れない。
「側に、いてもいいかな？」
鼻を、ラヴェンダーの甘い甘い香りが占拠した。
胸いっぱいに、黒木君の匂いで満たされる。
今まで感じたことないくらいの強さで、今までの彼だったら有り得ないくらいの荒々しさで、
彼は私を強く強く、掻き抱いた。
(＿＿＿＿温かい。)
トクトクと心臓の音が心地良い。私を抱きしめる体温に安心する。
黒木君の背中に手を回せば、更に強くなる力。
嗚呼、こんなにも逞しくて広い背中なのに。
何で、どことなく小さく感じてしまうんだろう。
何で、どことなく弱々しく見えてしまうんだろう。
いつもの黒木君だったら、こんなに強く抱きしめない。
今までの黒木君だったら、こんなに荒々しく抱きしめない。
とても、愛しいと思った。抱きしめられる腕から、体温から。
愛しさが、溢れ出す。
「(黒木君。)」
まるで獣のように感情を剥き出しにした黒木君を、私は出会ってから初めて見たのだ。
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Kobato*(プロフ) - 凛奈さん» 本当にこっちが感謝です（笑）更新したときには、是非読んでみてください＊ (2017年7月9日 16時) (
レス) id: 1a71bdddc1 (このIDを非表示/違反報告)
Kobato*(プロフ) - 凛奈さん» いやいやいや…！凛奈さんのコメントにどれだけ書く気を貰っているか…！正直に言うと、新しい作品を作ったときや更新したときに凛奈さんがコメントしてくれないかなぁ〜って思うことよくあります（笑）毎回毎回素敵な感想も頂いて…！ (2017年7月9日 16時) (レス) id: 1a71bdddc1 (このIDを非表示/違反報告)
Kobato*(プロフ) - ?0704さん» 今、またなんとなく書きたいものが浮かんでいるので更新したときは是非読んでみてくださいね！ (2017年7月9日 16時) (レス) id: 1a71bdddc1 (このIDを非表示/違反報告)
Kobato*(プロフ) - ?0704さん» ありがとうございます！この話は私が書く話の中でもすごく深いものといいますか…とりあえず上手く表現したいことが伝わるか不安だったんですが、そういってもらえて本当に嬉しいです！黒木は本当に泣けますよね(´；ω；｀) (2017年7月9日 16時) (レス) id: 1a71bdddc1 (このIDを非表示/違反報告)
Kobato*(プロフ) - まみさん» 更新履歴まで見ててくださったんですね…（涙）更新遅くてごめんなさいＯｒｚ、こちらこそまた時間がありましたら読んでやって下さいね＊ (2017年7月9日 16時) (レス) id: 1a71bdddc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kobato* | 作成日時：2017年6月11日 19時
