玖 ページ9
月明かりの中に、二つの影が浮かんでいる
国木田「全く。あの迷惑噴霧機の奴、一体何のつもりなんだ…」
志賀「……あの話、何か違和感がありました」
国木田「違和感だと?」
志賀「はい。確証はありませんが
―――鏡の話は覚えていますか?」
国木田「ああ、鶴見川で虎を目撃した時の」
志賀「はい。中島さん、鏡の中、つまり、自分の背後に虎が映っていた、といっていました。けど、虎の体長は小さくとも約150
国木田「ふむ……」
探偵社に到着した二人は素早く分担をし、国木田は社長室へ、志賀は未だ残っている社員の元へ向かった
志賀「皆さん、緊急の任務です」
志賀がそう告げると、三つの影が動き出した
?1「緊急の?何それ、面倒臭いじゃないか!それに僕達、今日はもう非番なのだけれど」
一番に、薄い茶色の帽子とポンチョを身につけた、如何にも探偵というような青年が文句を返す
志賀「太宰さんが乱歩さんの力が必要だ、と」
「太宰さん」を少し強調してみると
?1「ふ〜ん、太宰がねぇ……。よし、この名探偵の乱歩さんが力を貸してあげようじゃないか!」
面倒臭い、等とぼやいていた探偵社員―江戸川
乱歩―は、案外簡単に話に乗った
?2「怪我人がいれば良いけどねェ」
江戸川の次に、探偵社専属医にして、能力者の中でも稀な治癒の能力を持つ女性―与謝野 晶子―がニタニタと良くはないだろう笑みを浮かべ乍云った
志賀「物騒なので止めてください」
?3「じゃあ僕はお手伝いに行きますね!」
志賀「お手伝い、じゃなくて任務です」
先程の与謝野の悪い笑顔とはうってかわって、ニッコリと純粋な笑顔で云い放つ、志賀より二つ年下の少年―宮沢 賢治―の言葉に、少し呆れ乍応える
宮沢「そうでした!頑張りましょう、直哉君!」
最も、云われた本人は全く気にしていないようだが……
国木田「社長に許可は取れた、行くぞ!」
タイミング良く国木田が戻り、号令をかける
志賀「了解しました」
江戸川「社長の許可迄出たんなら仕方ない」
与謝野「はいはい。全く、どんな怪我人が待ってるかねェ」
宮沢「分かりました!」
各々が返事をする
そして、探偵社員は、今日も夜の横浜に繰り出す
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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時