検索窓
今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:61,047 hit

ページ9

月明かりの中に、二つの影が浮かんでいる



国木田「全く。あの迷惑噴霧機の奴、一体何のつもりなんだ…」

志賀「……あの話、何か違和感がありました」

国木田「違和感だと?」

志賀「はい。確証はありませんが

―――鏡の話は覚えていますか?」

国木田「ああ、鶴見川で虎を目撃した時の」

志賀「はい。中島さん、鏡の中、つまり、自分の背後に虎が映っていた、といっていました。けど、虎の体長は小さくとも約150(センチメートル)。背後に立たれたとしたら目の前に影が落ちる筈です。其れに、もし虎が餌を見つけたなら、直ぐ様襲い掛かる。其の速度(スピード)から、並の人間が逃げ切れるはずが無い」

国木田「ふむ……」





探偵社に到着した二人は素早く分担をし、国木田は社長室へ、志賀は未だ残っている社員の元へ向かった

志賀「皆さん、緊急の任務です」

志賀がそう告げると、三つの影が動き出した

?1「緊急の?何それ、面倒臭いじゃないか!それに僕達、今日はもう非番なのだけれど」

一番に、薄い茶色の帽子とポンチョを身につけた、如何にも探偵というような青年が文句を返す

志賀「太宰さんが乱歩さんの力が必要だ、と」

「太宰さん」を少し強調してみると

?1「ふ〜ん、太宰がねぇ……。よし、この名探偵の乱歩さんが力を貸してあげようじゃないか!」

面倒臭い、等とぼやいていた探偵社員―江戸川
乱歩―は、案外簡単に話に乗った

?2「怪我人がいれば良いけどねェ」

江戸川の次に、探偵社専属医にして、能力者の中でも稀な治癒の能力を持つ女性―与謝野 晶子―がニタニタと良くはないだろう笑みを浮かべ乍云った

志賀「物騒なので止めてください」

?3「じゃあ僕はお手伝いに行きますね!」

志賀「お手伝い、じゃなくて任務です」

先程の与謝野の悪い笑顔とはうってかわって、ニッコリと純粋な笑顔で云い放つ、志賀より二つ年下の少年―宮沢 賢治―の言葉に、少し呆れ乍応える

宮沢「そうでした!頑張りましょう、直哉君!」

最も、云われた本人は全く気にしていないようだが……

国木田「社長に許可は取れた、行くぞ!」

タイミング良く国木田が戻り、号令をかける

志賀「了解しました」

江戸川「社長の許可迄出たんなら仕方ない」

与謝野「はいはい。全く、どんな怪我人が待ってるかねェ」

宮沢「分かりました!」

各々が返事をする
そして、探偵社員は、今日も夜の横浜に繰り出す

拾→←捌



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
102人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。