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太宰の返答に、中島はぽかんとし、志賀は罵倒する。
このやり取りを見て、国木田は、チッと舌打ちをして云った

国木田「探偵と云っても、猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だ。異能力集団『武装探偵社』を知らんか?」

中島の顔が驚きの色に変わる。巷でもそれなりに名を上げているので、孤児院で暮らしていた中島も知っているようだ

―――――が………

太宰「あの鴨居頑丈そうだね……たとえるなら、人間一人の体重に耐えられそうな位」

国木田「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな」

太宰「違うよ、首吊り健康法だよ。知らない?」

国木田「何、あれ健康にいいのか?」

志賀「良い訳無いでしょう…」

太宰「先ず、頑丈なネクタイを用意しましょう」

国木田「ふむふむ」

その畏れられる組織に勤める3人はこの調子だ


中島「そ…それで、探偵の三人の今日のお仕事は」

おずおずと聞いた中島に、国木田はむっとするが少し間を空け

国木田「虎探し だ」

と応えた

中島「……虎探し?」

依頼の内容を聞き、僅か乍反応を見せる中島。驚いただけだろうと、太宰は話を続ける

太宰「近頃、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり、好き放題さ」

志賀「幸い人的被害は未だ零件ですけど、いつそれが起こるか、なんて考えるだけでもゾッとしますよ。」

太宰「うん。それに、最近この近くで目撃されたらしいのだけど―――」

太宰がそう云った瞬間、ガタッと大きな音がした。その音は、中島が椅子から落ちた音だったのだが、落ちた中島は酷く怯えた表情をしている。そしてクルッと身体を回すと、四つん這いになって

中島「ぼ、ぼぼ僕はこれで失礼します」

と云い逃げようとする。が

国木田「待て」

の一声と共に、足が宙に浮いた状態となった。国木田が、中島の襟首を掴んで持ち上げたのだ。 中島は突然の浮遊感に反応が遅れ、しゃかしゃかと手足を動かしている。あとの二人は、助けるつもりなど微塵もなく、ただただ見ているだけだ

中島「む、無理だ!奴―――奴に人が敵うわけない!」

国木田「貴様、『人食い虎』を知っているのか?」

中島「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!この辺に出たんなら早く逃げないと―――」

中島がそう云った瞬間に、国木田は掴んでいた手を離し、目にも留まらぬ速さで足払いをかけた。中島はビタンッとなんとも痛々しい音を立てて倒れた

漆→←伍



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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

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