Genesis ページ9
−日和Side−
ESが出来上がる前の話をするね
僕はいつも通り完璧なライブをこなしていたんだけど
そんな時とても懐かしい人が通り過ぎるのを見かけたね
その子は確かにAちゃんだった
正直Aちゃんが夢ノ咲学院に転入したって聞いたとき
裏切られた気分になったね、でも実際あの子は
僕達を裏切るような事はしないから…
前から気になっていたけど会わない日が続いていたらその気持ちを忘れていた
そんなはずだったのに、Aちゃんを再び見ると胸が焼ける気がするね
僕達Edenとかけがえのない日々を過ごしてきたんだから
忘れる事なんてできていなかったのかもしれない
初めて僕が恋をした人、例え離れていても僕の心を捉えて離さなかったそんな人だね
確かValkyrieっていうユニットのプロデューサーだって毒蛇が言ってたね
どんな風に扱われているかなんてわからないけど
あの子ほど才能を持っている人は上手くプロデュースできるに違いない
どうしてアイドルになる夢を諦めたのか、今でも話してくれないね…
最近コズプロがなにかとあの子に絡んでいるみたいだけど
大事な役割をAちゃんに託したいんだってね
まぁ、たまたま聞いたことだから本当かどうか分からないね
Aちゃんと僕が知り合ったのは13歳の時
雪が降っている日だった
とても広い教会の中彼女は聖歌隊の中心で歌っていた
僕はその美しい声に惹かれてアイドルになりたいっていう夢を追い始めたね
今思えばAちゃんは今の僕がいるきっかけを作ってくれた
あの日の礼拝の後僕はAちゃんと少し話をした
最初は戸惑っていたけれど、徐々に心を開いてくれて親しくなったね
因みに教会にいたのは親の付き添い
これも何かの縁かもしれないね
それが僕たちの物語のgenesisだった
まだ終わることのないストーリー…
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作者名：ひぃちゃん | 作成日時：2020年7月19日 13時
