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秘密その28 ページ29

岡島side

「あっ」
いかにも今見つけた、という風に千葉に声を掛ける。千葉はそれに気づいてこっちを見た。
「岡島?急ぐか、授業始まる」
「おう!次社会か〜」
できるだけいつも通り話しながら、速攻で靴を脱いで教室へ向かう。下駄箱に速水と渚の靴は無かった。

ガララッ
「千葉君に岡島君!遅いですよ」
「「すいません!」」
なんとか授業前についた。席に座り、慌てて授業の準備をする。ふぅ、と一息ついて後ろを向くと、千葉が口パクで『セーフ!』と笑いかけてくる。それを笑って返した。
三村が「遅かったじゃん」と話しかけてきたので前を(正確には三村の顔を)見る。
「何かあった?」
「あればよかったけど、特になし!」
「つーか、速水と渚は?」
三村が俺の隣の席に目をやる。いつも予鈴の1分前には席についてる速水が今はいない。机に授業の用意はしてあるが、肝心の速水がいない。
(言う…か?)
俺の頭ん中で、さっきの話がリピートされる。
信じてなんかない、信じてないなんて話、言っていいわけない…そう即答できない自分が嫌になる。心のどっかで千葉に幻滅してる証拠だ。


ーーー優しくするくらいなら、表面上だけでもできるんだからさ。
ーーー『セーフ!』


(千葉は、嫌なやつじゃない。あの言葉にも、絶対何かある)
そんなこと考えだしたら、授業なんて集中できるわけない。
「岡島?」
「な、三村。今日お前空いてる?菅谷と3人で話がしたいんだ」
小声で三村に伝えると、間髪入れずに頷いてくれる。俺がそんなに真面目くさった顔してたのか、三村も真剣な顔をした。

速水と渚は、本鈴が鳴っても来なかった。
殺せんせーが2人を探しにいって、教室は騒がしくなる。自習を始めたり、隣の人と会話したり、本を読んだり、各々がしたいことをする。三村が「岡島より俺のが自然だろ」と菅谷のところに行った。くそ、反論できね。
向こうでは、速水と渚がせんせーに甘えてんだろーな。俺は盗み聞きだからダメージは少ないけど、面と向かって言われたら相当効くだろうし。
当の本人は、ノートに何かのせっけーずを書いている。まあ、家なんだろーけど。
しばらくして、三村が目の前に戻ってきた。
「OK!菅谷ん家な」
「え、いーのか?んじゃ、お邪魔しましょ!」

殺せんせーは、本鈴が鳴って20分後に授業を開始した。
速水と渚は、体調不良だと言っていた。それが嘘だと、俺と千葉だけは気づいてた。

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澪亜 - 何この俺得小説……いい話あざっす! (2022年10月1日 19時) (レス) @page44 id: 43a4c159cd (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリという名の誰か(プロフ) - ねぇ、、途中で目から汗が出てきたんだけど、、どうしてくれるの(ノд`)ウルウル (2018年8月1日 0時) (レス) id: 76ff7c0967 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 面白かった!千葉くん(スナイパー)の歌声、きいてみたい! (2017年11月12日 19時) (レス) id: 94bc6d2b16 (このIDを非表示/違反報告)
雪かき - 今更ですが、三次創作okです。行うときはここにコメントしてからお願いします。 (2017年10月18日 18時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
雪かき - さ、最高!!?ありがとうございます何よりの誉め言葉です(//> <//) (2017年10月17日 16時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪かき | 作成日時:2017年8月6日 12時

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