102話 ページ3
side赤司
僕は今、初対面のAの従弟と名乗る男に睨まれている。
赤司「なんだい?」
隼「え?何が?」
何も知らない振りをしている。
隼「Aの婚約者なんでしょ?羨ましいなぁ。」
空気がドッシリ重たく感じた。
隼「何処までいったの。」
赤司「答える必要は無い。」
空気が1層冷たく重たい。
A『隼!』
親が子を叱るような顔つきでやってきた。
A『大人しくしてなさいって言ったでしょ!』
隼「大人しくしてるよ。ほら。」
タオルで縛られた両手を見せる。
Aは僕には目もくれず、注意してまた作業しに戻った。
隼「俺ね、Aの事だけは大大大好きだから。あまり泣かせたくないけど……」
今吉「隼。」
桐皇の主将が止めに入る。
隼「俺が見てないAはどんな顔してるの?夜はどんな声で啼くの?俺が知らない事、教えてよ。」
そう言って、とてもタオルで縛られたと思えない力で首を絞める。
隼「Aの愛ならなんでも欲しいんだ。飴が0でも構わない。鞭が10でも構わない。けど、俺が知らないAを知るのだけは!」
A『隼!!』
ビクッと2人で肩を震わせる。
A『大人しくしてなさいって言ったでしょ。』
隼「ごめんごめん。でも血は出てないんだよ。」
A『そういう問題じゃないのよ!翔!!なんで止めないの!』
今吉「ワシは止めたで。」
縛られた体をくねらせながらAに寄り添う。
A『目を離すとろくな事ない…』
そう言って彼を拘束していたタオルをはずす。
隼「そんな事ないでしょ。ちゃんと我慢してたんだよ。だからギューってして。」
さっきの声の主とは思えないくらいの猫なで声で彼女に甘える。
A『征、ごめんなさいね。大丈夫だった?』
そう言って僕の首を撫でる。
赤司「うん。平気。」
A『隼、謝ったの?』
隼「別に必要ないもん。」
ため息をついて
A『私の身内に謝らない子……ないかな。』
要らない。か、居ない。と言った。
隼「ご…ごめんなさい……」
不貞腐れていながらも謝った。
A『隼は中身が子どものままなのよ。事情があるけど。』
ごめんなさいねって僕の首を撫でる彼女。
赤司「マークつけさせて。」
Aは反論しようとしたけど、すぐに
A『目立たない所にしてよね。』
って身体を預けた。
今吉「お盛んやの〜。」
隼「壊す…」
今吉「一欠片の情愛も貰えなくなるで。」
隼「ゔ……」
立神隼か…要注意人物だな…
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作者名:ペテン師 | 作成日時:2019年3月26日 12時