高嶺の花 ページ7
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「蜂楽くん、私と仲良くしてくれようとしてるの?」
「………え?」
「嬉しい!私、彼氏もいなかったから男の子と正直どう接すればいいか分かんなかったんだ……!」
これに彼氏いないってマジ?????
全員心の中でそう思い、目を丸くした。
そして、純粋に嬉しいという気持ちを全面に出して微笑むAに、蜂楽はしばし放心する。
「蜂楽くん、大丈夫?」
「………う、あ、うん!大丈夫ー♪」
しかし心配げに蜂楽を覗き込むAに、一旦は笑みを浮かべる。そうすれば、Aはホッとしたように息をつき──そして、花が咲くような可憐な微笑みを浮かべて、蜂楽を見つめた。
「蜂楽くん、ありがとう!これからよろしくね」
「………こ、こちらこそ末長くよろしくお願いします………?」
あんまりにも眩い微笑みに蜂楽の脳内は壊れた。純白の花嫁姿でブーケを差し出してきたAの姿すら幻視し始めた蜂楽は、惚けた顔のままAの手をぎゅっと握りしめる。
その瞬間に背後から頭を蹴り飛ばされ、幸せの絶頂のまま蜂楽は気絶した。
蜂楽を蹴り飛ばしたのは、國神である。オレンジの髪が特徴的で、筋肉質な体はがっしりとしている。
正直言って、その顔立ちと体つきのせいで、女子と付き合うどころか、触れ合ったことすらない國神は、めちゃくちゃ視線を彷徨わせる。
「う、うちのチームのヤツが悪りぃな………あ、あー、俺の名前は──」
「國神くん、だよね?知ってるよ!」
「ホェァ」
煌めく笑顔でそう言われた國神は崩れ落ちた。マドンナが俺の名前を認知してた……?
──その國神をきっかけとして、男達は我先にとAの元へと詰め寄せた。そしてその度に彼女に名を呼ばれ、にっこりかわゆく微笑まれて膝をついて崩れ落ちる。
その日からAはマドンナと呼ばれなくなった。
高嶺の花であった少女は、自分達とあまり変わらない人間だったのだ。
そして、こんな不細工相手でも頰を染めるような純情さに、誰もが好ましく思うのもしょうがなかった。
───その日から、Aは“手を出せない”高嶺の花ではなくなった。
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まったり団子 - ウッウッ・・・最高だ・・・特に糸師兄弟が揃いも揃って盛大に勘違いしてるのが・・・これからも読ませてください!お願いします! (2月24日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 結葉さん» ありがとうございますーー!🥹これからも応援してくれたら嬉しいです (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - あいらさん» 返信遅れて申し訳ないです😭冴はもうすぐ出てきたますので、是非お待ち下さい! (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 更新待ってます”!!!!!!!! (10月12日 10時) (レス) @page31 id: 119a923417 (このIDを非表示/違反報告)
あいら - このお話が大好きです!早くカイザーやネス、冴に会ってメロメロにしてほしいです! (10月12日 5時) (レス) @page32 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずき | 作成日時:2023年1月29日 21時