546話 早かった ページ22
「キミの力を側で感じて、ますます楽しみになってきた……。
決勝で会おう。マモル！Aもね」
立ち去っていくロココの後ろ姿を見送ってから、僕は横目で守を見た。
守も胸の前で拳を握り、こっちを見て頷く。
『守、気付いた？』
「ああ……あいつの方が、早かった」
「どういうこと？」
首を傾げる夏未に向き直った。
目に焼き付いて離れない、さっきの光景。
『さっき、守の方がロココより先にゴッドハンドを出したんだ』
「なのに……タイヤを受け止めるタイミングは同じだった」
あの状況で、守よりも早いだなんて。
僕は、また守に目を向けてから、そのまま夕日に目を移した。
痛いくらいに眩しいそれを見て、思わず呟いていた。
『僕、なんか見えた気がする』
「えっ？なんかって……」
自分自身、信じられなかった。
こんなことを思い付いた自分が。
人間に、そんなことができるのか。しかし、一度思いついてしまったものは取り消せない。
『……新必殺技の、イメージ』
……やってみよう。
これが完成したら、あのロココにも対抗できるかも知れない。
翌日。
「なぁ、東雲……まだやるのか？」
『はぁ…はぁ…はぁ……ああ、頼むよ……』
「僕たちは良いんだけど……」
僕は守がいなくて空いたゴールの前を使って、必殺技の特訓をしていた。
最も、側から見ていて特訓には見えないかも知れないが。
地面に仰向けに倒れて、荒い息を吐き出す僕を、心配そうに見下ろす風丸と吹雪。
『大丈夫……』
「な訳ないだろ！」
「無茶だよ、ザ・ハリケーンの竜巻の中心で立ってるなんて……」
ザ・ハリケーン。僕を除く風タイプの必殺技を出せるのは、吹雪と風丸だけ。
僕は二人に頼み込んで、ザ・ハリケーンで巻き起こる凄まじい竜巻の中で、じっと佇む練習をしていた。
だけど、そう上手くはいかず、何度も竜巻に巻き上げられ、地面に叩き落とされて体はボロボロ。
風丸と吹雪が心配するのも分かる。
それでも、これが出来なくちゃならないんだ。
『……風を読めれば、できるはずなんだ。な？もう一度』
「……分かった。手加減はしないぞ？」
「怪我はしないようにね？」
二人に頷いて、立ち上がる。
もう一度、下腹に力を込めた。
547話 ライバルだから力になりたい→←545話 守ってくれて
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杳覇(プロフ) - オムライスさん» そう！「くらは」って読みます！もちろん良いよ！！ベルちゃんのままでお願いしますっ！ (2020年3月12日 14時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムライスさん» オムちゃん！！ありがとう！！わあああおめでとうーーー！！！私もすっごく嬉しいです(〃ω〃) (2020年3月12日 14時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
オムライス - そういえばベルちゃん、名前が変わってる！呼び方ベルちゃんのままでいいかな？ (2020年3月12日 14時) (レス) id: 89108aaf87 (このIDを非表示/違反報告)
オムライス - ベルちゃん志望校合格おめでとう！私も第一志望校受かってました！また楽しくお話を読めるのが嬉しいです！ (2020年3月12日 13時) (レス) id: 89108aaf87 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 朧月さん» ふええいいのか！？こんな駄作見たら朧月の美しい文体が汚れるよう……(泣) あっ、559は世界編に移行してからのお話で、最初から合わせると実に896話目になるんだ……(笑)ありがとー！朧月のも応援してます！！ (2020年2月23日 14時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2019年11月26日 17時
