世界を駆ける天空の巫女 ４

143話 らしくない ページ10

春香は再び扉に手をかけ、開く……

……途中で、「あっ」と声を上げて振り返った。



『……修也、ありがとね。告白してきてくれて。嬉しかったよ(ﾆｺｯ』

「！」



春香はそのまま降りていく。







だから、





「っ……期待、するだろ……////」





俺が、さっきの春香みたいにベッドに顔を埋めていた事なんて、知らないんだろうな。








春香side



「次！虎丸!!」

「行きます!!」

「よーし、来い!!」



昨日の夜、僕が下に降りていくと、すっごいスピードでリカにスライディング土下座された。

苦笑いしながら怒ってない事を告げると、リカもいつも通りに戻ってくれた。


修也とも、何事も無かったかのように接せてる。





「タイガードライブ!!!!」

「正義の鉄拳G5!!!!」

「うっ…」


虎丸のシュートは、難なく守に弾かれてしまう。



「どうしたー!!その程度かー!!」

「(ﾁﾗｯ …ちょっと手加減しただけですよぉ！」

「練習だからって手加減する必要は無いぜ!!本気で来い!!」


虎丸は僕と修也を見て、強がる。

守は強がりだとも気付かず、真面目な顔で答えた。



「じゃあ今度は、必ず決めます!!」


そう意気込んで、虎丸は修也に代わる。





「行くぞ!!」

「ああ、来い!!」



修也の気迫が凄い。

次が予選決勝だからだろうか。



「爆熱スクリュー!!!!」

『？』

「正義の鉄拳G5!!!!」


修也の爆熱スクリューに、いつもの威力が無い。

守もあっさりと止めてしまう。



「どうした豪炎寺!!」


守も分かった様で、弾いた瞬間厳しい台詞を放った。


「今のシュート、いつもの豪炎寺らしくないぜ!!」





「………俺らしくない、か……」

『……？？』


今の台詞、更に修也らしくない。



……絶対何かあった。

少なくとも、昨日の告白の件ではなさそうだ。


色恋沙汰じゃない、もっと深刻な……何かが。

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