世界を駆ける天空の巫女 ４

137話 人間恋愛が全て ページ4

「ええか？人間恋愛が全てや。せやからウチは、人の恋愛にも関わりたいんや！」

「一之瀬帰って来ないかなぁ……」

「……(ﾊｯ」


今のリカの一言は、正にフラグである←



そしてリカは、今自分が見た光景に目を見張った。



そこには……





ゴール前で悩む円堂を、切なそうに見つめる……のではなく、新必殺技に悩む円堂を、心配している冬花の姿があった。





…無事、フラグが回収された←




「キターーー!!!!あの目!!あの顔!!!間違いない!!

愛や!!ラブや!!!獲物やーー!!!!」

「あーもう……」


リカは猛スピードで冬花の元に降りていく。

地面に着いたかと思うと、驚いている冬花の手をがっしりと握った。



「切ないなぁ……苦しいなぁ…！身悶えするなぁ!!その気持ち分かる!!分かりすぎる!!!」

「え？あの…」

「何も言わんでええ!!守君の事やろ？恋愛の達人のウチが相談に乗ったる！泥舟に乗ったつもりで話してみぃ〜？」

「いや、それって大船だから」



リカと冬花の間に、壮大な誤解が生まれた←





冬花は何のことか分からないまま、話し出す。


「……守君が変なんです。声を掛けても返事が無くて……」

「多分必殺技だな」

「必殺技？」


この3人の中では円堂と最も一緒にいた塔子が、正解を言い当てる。

そして、ﾆｶｯと笑った。



「ああ。あれなら心配ないよ！放っとけば円堂は((ﾄﾞｰﾝ」


塔子の言葉を押し倒して遮るのはもちろんリカ。



「何すんだよ!!」

「放っといたら自分で解決するなんて言うたらおもろないやん！それより二人を急接近させ方がー！(小声)」

「はあ？ってか、円堂には春香がいるだろ！」


「放っといたらあかんで！あんな悩んだ顔、見た事ない!!重症や!!」


塔子の言葉を華麗に無視し、冬花に偽りを教えるリカ。



「どうすれば……」

「しゃーない。アンタだけにええ事教えたる。円堂の力になる方法や！」

「！……(ｺｸﾝ」



それが何にもならない事に気付かないまま、冬花は頷いてしまったのだった。

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