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『…あぁ。そうだったな。』

彼の様子がおかしい事に

気づいてはいたが

不思議とその一つ一つの表情が

私の胸を締め付けた

「どしてあなたはそんなに辛そうなの。」

私の問いに彼が答えることは無かったが

私は言い続けた

「あなたがそんな顔をしていたら
心配で眠れなくなってしまうわ。
理由くらい教えてよ。」

「ねぇ…マルフォイ。」

それでも口を開かない彼。

表情も先程とは違い悲しそうで

そんな彼をどうしてもほっては置けなかった

「そんなに悲しい顔をしないで。」



「ドラコ」



名前を呼んだだけなのに

彼はハッとこちらを見て

涙を流した

決して何も言わないのに

私を愛おしそうに見つめるその目に

心が揺らいだ

「ドラコ…。『やめてくれ。』




『僕を知らない目で僕を見るな。』





「…何を言っているのか分からないわ…。」

『分からないだろうな。
君は分かりたくもなかったんだ。』

彼はそのまま私から逃げるように去った

ドラコ…。

その名を呼ぶのに戸惑いはなかった

まるでその名を前から口にしていたように

自然と出たのだ

彼はどうして泣いたのだろうか

私のことを知らないはずなのに

気づけば私も涙を流していた

「なんで…。」

なんで彼を思うとこんなに胸が苦しいんだろう

私も彼のことを何も知らないはずなのに

彼の顔も知らなかったはずなのに

私の中の何がそうさせるのか

まだ分からずにいた



店に戻ろうとするとフクロウが飛んできた

ハニー?

いや違うフクロウだ。

その梟から手紙を受け取る

差出人はハーマイオニー・グレンジャー。

彼女からの手紙も

いつもなら嬉しい気持ちになるのに

そうはならなかった

「…嘘。…嘘よ。」

それはセドリックが死亡したという知らせだった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
知らせを聞いて急いで飛んできた

ハーマイオニーから教えてもらった墓に向かう

本当に彼は死んだのだろうか

もしかしたら嘘かもしれないなんて

そんなの私の願いに過ぎなかった

セドリック・ディゴリー

その名前が墓石に掘ってあった

沢山の花があった

彼はこんなにも愛されて

こんなにも若くして死んだのだと

目の前の現実が私に教えた

「セドリック…。」

そう彼は死んだのだ

私を置いて

とてもいい友人だった

そして私を心から愛してくれた

短い間だったけれど

彼がくれた私への愛は

私を強くしてくれた

それでも…

「会いたいわ。セドリック。」

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設定タグ:ハリーポッター , ドラコ , ドラコ・マルフォイ   
作品ジャンル:恋愛
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Debugon(プロフ) - あーちゃんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(´TωT`)そして最後まで読んでいただきありがとうございます( *´꒳`*)また新しい作品を書いているので良かったら覗きに来てください! (2022年2月16日 18時) (レス) id: 3073debd3a (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - ドラコの作品をたくさん読んできましたがら最も感情が溢れだしました!これからも楽しみにしています! (2022年2月16日 16時) (レス) @page24 id: 534548cafa (このIDを非表示/違反報告)
Debugon(プロフ) - sakihamu87さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも頑張ります!初めて言われてとても感動です(´TωT`) (2022年1月7日 22時) (レス) id: 3073debd3a (このIDを非表示/違反報告)
sakihamu87(プロフ) - 今までに読んできたドラコの作品の中で1番面白いです!!!続き待ってます! (2022年1月7日 9時) (レス) @page3 id: b82aa09454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でぶごん x他1人 | 作成日時:2022年1月4日 20時

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