"探偵社員でも恋をする__。"【文スト】※ゆるゆるラブコメディ夢小説。

【番外編学パロ】 ページ30

コメントにて学パロが好評でしたので!!


--------ｷﾘﾄﾘ線--------


｢太宰先輩？太宰せんぱーい？｣

昼休み。私はいつも中庭にお弁当を2つ持って来る。
なぜなら、

｢A〜！ここだよ〜｣

｢わっ、き、木の上？！｣

｢もう私腹ぺこだよ〜。早くお弁当頂戴♪｣

同じ生徒会の先輩、太宰治先輩にお弁当を作ってきているからだ。彼は放っておくと平気でお昼ご飯を抜くし、そのまま趣味の自。殺未遂に手を出そうとするのだ。この学園で事件沙汰だなんて笑えない。しかも太宰先輩が関わっていたら尚更だ。

｢はいはい、わかりましたから。早く降りてきてください。｣

｢ちぇ、Aってば塩対応だなぁ｣

｢そりゃ、自分より年上の人が子供みたいに木登りなんかしてたら呆れてこんな物言いにもなりますよ。｣

｢ふふ、そうかい？まぁ君が来てくれるだけで嬉しいけどね、私は。｣

また、この人は。すぐにそういうことを言うんだから。
こんな軟派男で変わり者なものだから、学園では包帯纏いしミステリアス王子だなんて呼ばれているが……
彼があそこまでモテる理由はよく分からない。

｢はいコレが太宰先輩の分です｣

｢いつも悪いねぇ♪｣

｢悪いと思うなら自分で作ってくるなり買うなりすればいいんじゃないですかぁー？｣

｢いや何ね、私は料理すること自体は嫌いじゃないのだけど。出来上がったものを食べる気にはならないのだよ。｣

｢それ要は不味いってことですよね｣

｢この前なんかは釘打てるほどの豆腐を作ったよ｣

｢豆腐を一から作る暇人ってこの学園にいたんですねぇ｣

太宰先輩はお弁当の中身のミートボールをパクリと口に入れたまま私のことをじっと見つめてきた。

｢……なんです？｣

｢いやなんか。いつにも増して塩対応だなぁと。｣

｢そんなことはないですよ。｣

｢そんなことあるね。毎日君とこうして昼休みを共にしているのだから、流石にわかるよ。｣

今度は卵焼きを口に入れると、ん〜♡と顔を緩めた。
その表情を見てると、心がなんとなく暖かくなって、なんだか色々とどうでもよくなってくる。

｢太宰先輩って、モテるじゃないですか。｣

｢ン゛ッフ｣

先輩は私の急な話題転換に驚いて噎せた。

｢ゴホン、失礼。まあ、それなりにはね。｣

彼はそう言ってちょっと照れくさそうに頬をかいた。
それを見て私はますます機嫌が悪くなる。


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